【七種茨】Hug 2

恋とは。 ページ27

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｢日和お兄様、急に呼び出して申し訳ありません｣

｢僕を呼び出していいのなんて、Aだけなんだからね！で、どうしたんだね？｣

｢あの…ご相談が、ありまして｣



時間が経っているはずなのに、茨に引かれた手がまだ熱い。
学校終わりだというのにこの後仕事とレッスンをする彼はそそくさと去ってしまったのだ。



｢……えっと、わからないんですけど、ある一人の人のことずっと考えちゃったり、会えたら嬉しかったり、他の方と話してるところみるとなんか発作起きるんです、｣

｢うんうん｣

｢で、その人に褒められたりするとすごく嬉しくて、そばにいたくて、｣

｢A｣

｢……はい。｣

｢恋だね！！！！！｣



ここがES内の個室でよかった。
公共の場でこんなに響く大声で言われていたらどうなっていたことやら、

恋。と堂々と言った日和お兄様だが、
私はそれが何か知らない。



｢こい、とは｣

｢つまり、好きな人ってことだね！｣

｢私は日和お兄様も凪砂様もジュンも…茨も、好きですが｣

｢家族としてじゃないね！その人と一緒におでかけして、笑いあって、泣きあって、自分の小さな変化に気づいてくれたり、ドキドキしたり、安心したり。その人の特別な顔を見たいと思うことが恋だね。｣

｢なるほど、｣

｢Aは、その気持ちあるの？｣




茨と笑いあったり泣きあったり、
彼が泣くのは想像つかないなぁ。
でも、

｢……彼の色んな顔を見たいと思います。｣

｢うんうん！いい日和！僕は全力で応援するね！｣

｢ありがとうございます、日和お兄様！｣

｢まあ、相手が茨っていうところは、Aも悪趣味だと思うけどね？｣

｢悪趣味だなんてそんな、……え、私言いましたっけ｣

｢あっはっは！！それで隠せると思っていたの？わかりやすすぎだね！｣

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