開始1時間前 ページ36
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Edenライブ当日
現場入りして早2時間が経過していた。
既に会場前に人集りができている。
日和お兄様にSNSを見せてもらったが、すごい反響があったみたいでチケットは完売しているのにせめて現地に、という人もいるらしい。
「日和お兄様!」
「どうしたの?A」
「少し外を回ってくるので離れますが、何かあったらすぐご連絡ください。」
「うんうん!頼もしいね!僕もみんなも、最後の合せが終わったからこの後はメイクルームにいるね!」
「かしこまりました。始まる30分前には戻ります」
念の為手袋を付け、駆け足で外へ出た。
ないとは思うが不正入場を裏からする人もいるらしいのでそちらも見張っておかねば…。
たくさんの声が聞こえてきて、オレンジや臙脂色、青に黄緑の色んな色が見えた。
初ライブなのにここまで集まるのってすごい、
「す、すみませんっ」
「はい?如何されましたか」
「あの、私の、バッグがひとつなくて、」
「バッグ…どういった色と形ですか?」
「ピンクで、小さいリュックみたいな、」
「こちらでも探してみます。お名前と連絡先よろしいでしょうか?」
ツインテールで、ベースは黒だが赤が入った髪色をしている女の子に呼び止められてしまった。
抱えきれない量の荷物持ってきてるからでしょ、と
時間が惜しくて、少し悪態をついてしまう。
インカムで他スタッフへ周知させるが、正直盗まれていれば見つかる可能性は低い。
「また見つかればご連絡いたしますね」
「あっありがとうございますっ」
小さく会釈をしてその場を去った。
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作者名:はなちゃ | 作成日時:2022年9月21日 22時