9.可愛い女の子(1) ページ10
『あーいたいた!恵!虎杖君!』
「おー先生!先生も電車で来たの?」
『いや、飛んできた』
「…?」
場所は原宿。新しい一年生を迎えに来るために、現地集合した。私はまぁそこまで忙しい訳じゃないけど、悟の場合は任務に引っ張りだこで、今日も朝早くから任務があるとか言ってたっけ。そのため現地集合という訳だ。
駅前にいる二人に声をかけると、虎杖君が犬のように寄って来たので、とりあえず頭をガシガシしておいた。
『そういえば、制服できてたのね…』
虎杖君は白色じゃないんだなぁなんて思っちゃった。てっきり私と同じなんじゃないかって気にしてたんだけど…
取り越し苦労だったようね。
それと同時にやってくる呑気な声。
「おまたせー!何なに?何の話?」
『お疲れ様。虎杖君の制服できてたんだねーって話してたの』
「おう!でも伏黒のと全然違ぇんだな」
『制服は希望があればカスタムしてくれるし、逆に決められる場合もあるのよ』
「それってどんな…」
私は自分の学生時代を思い出していた。私だけ色が違う意味…
「はい!その話はここまで〜!ここに来るはずだから、くるまでちょっと買い物してもいいよ〜!」
悟が話を変えてきたおかげで自分の表情が暗くなっていることに気づく。すかさず二人には笑って誤魔化しておいた。
…
「俺たち、今からアレに話しかけんの?恥ずかしくない?」
『確かに…でも可愛いわね』
「デカい綿菓子とクレープ両手に持ってるあんたらも恥ずかしいわ」
「だって先生がクレープ食べたいって言うからー」
『だって虎杖君が綿菓子食べたいって言うから』
「(Aさんってこんなキャラだったっけ)」
恵の気疲れも知らずに私と虎杖君は両手に持つ甘いものを交互に食べていた。その目線の先には可愛いけどちょっと強気そうな女の子がいる。逆ナン?逆スカウト?何してるんだろ。
「おーい!こっちこっちー!」
悟が女の子を呼んだ。
黒いスカートを揺らしながらモデルのように歩く姿はとても凛としていた。
「釘崎野薔薇。喜べ男子、紅一点よ」
新しく入学した子は、ちょっと勝ち気な可愛い女の子だった。
"あの子たち"も、もうすぐ高校生なんじゃないかなぁ…なんて、思い出してしまったよ。
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作者名:yoku | 作成日時:2022年6月26日 16時