7.入学(2) ページ8
今は虎杖君と学長の面談中。私と悟はその試験のやり取りを壁にもたれて眺めていた。
「まーたはじまった」
『学長の話長いのよね』
でも間違ったことは言っていない。
ドグッ ボゴッ ボン バキッ!
『あの子素であんな感じなの?格闘技やってたとか?』
ついこの間まで普通の高校生だったとは思えない身のこなし。呪骸ともまぁ戦えてる。
「いーや!お爺ちゃん思いのただの高校生だったよ」
『へー…不思議な子ね』
「それよりA。宿儺に気をつけてね」
『わかってるわよ。受肉した呪霊と戦ったことはないけど、大丈夫』
きっと宿儺は私を食べたいんだと思う。呪いはみんなそう。天女を喰らうとその力を得られるといい、今までも様々な呪霊が私を狙ってきた。
「そうだね。僕もついてるし」
そう言って私の手を握る悟に、素直に応じた。
「ゴホンッ」
あ、やっちゃった…
完全に二人の世界に入ってた。
「お前らなぁ…もう終わったぞ」
「痛ってぇ…俺がボコボコにされてるのに先生ら何してんすか!!」
「『ゴメンなさい』」
「コイツらはたまにこんな感じになるが、気にするな。まぁ実力は確かだから頼りにするといい。悟、寮を案内してやれ。あと、Aはここに残れ」
「え、何で?!」
「すぐだから!!その過保護っぷりどーにかしろ!」
ギャーギャー言う悟を虎杖君が背中を押して連れ出してくれた。
『すみません、学長。なにせ2日ほど離れていたものでして…』
「2日離れただけであぁなったら大変だな」
そうなの。大変なの。
『で、何ですか?わざわざ私だけ残すなんて』
「うむ…宿儺の件だが、上層部は断固として反対している。すぐにでも処刑したそうだった」
『でしょうね』
いつどう転ぶかわからない得体の知れない者をアイツらが生かしておくわけがない。
「Aはどう思う?」
『私は…正直宿儺がどうとか興味ありません』
だけど…
『呪術師になれる可能性がある子を、そのまま見殺しにはできません。彼は自分の運命を懸けて人を救いたいと言った。その気持ちを、私は守りたい』
「そう言うだろうと思ったよ。だが、充分に注意しろ。宿儺が表に出てきたときに真っ先に狙われるのは、お前だ」
はいはい、わかってますよ。
『そういえば、聞きたいことがあったんだけど…もし宿儺と戦って、私が呪力を奪ったとしたら、虎杖君はどうなるの?』
「………わからん」
ですよね。
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作者名:yoku | 作成日時:2022年6月26日 16時