ハナミズキが咲く頃に。【呪術廻戦】 (ページ6)

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5．両面宿儺(3) ページ6

「さて、ここでクエスチョン。彼をどうすべきかな？」

悟が少年を抱き抱えながら恵に問う。
目が覚めたとき、体が乗っ取られていなければ彼には器の可能性があると話す悟。

でもそれは、過酷な運命を背負うことになる…

「呪術規定にのっとれば、虎杖は処刑対象です。でも、死なせたくありません！」

恵は私情だと、真っ直ぐ悟の問いに答えた。
恵にここまで言わせるとは…彼にはきっと、器の可能性以上の何かがあるのかしら。

『ねぇ恵…きっとこの先もし彼が生きたとして、きっと辛い未来が待っている。そんなとき、あなたはそばにいて、助けてあげられる覚悟はある？』

助けるというのは、生かすという意味だけではない事もわかってくれている筈。虎杖君が宿儺に負けたとき、どうしなければならないのか、その覚悟を持たなければならない。

「……はい。必ず、俺がそばにいます」

フッ…かっこいい生徒ね。

「じゃあ決まりだね！Aと恵は先に高専へ帰っといてくれる？あとは僕が引き受けるから」

『わかったわ。じゃあこれ、お願いね』

私はポケットから一つの明細書を悟に手渡した。

『ここからすぐのホテルだから、2部屋分、よろしく』

「え、またぁ？！」

『フフッ、さぁ恵、帰りましょ』

「じゃあ先生、お先です」

「はぁ、わかったよ！そのかわり学長によろしく伝えといて…入学試験の準備をしとけって」

『了解』

私と恵は、悟と虎杖を置いて、先に東京へと帰った。

「Aさん、虎杖は…大丈夫でしょうか？」

帰りの新幹線で、恵は聞いてきた。

『悟ならあのクソ上層部を丸め込ませれると思うわ。信じましょう、きっと彼はここへ来る』

どうか、若き呪術師が苦しまない結果になる事を願うわ。

でも…

『やっぱり、もう、、ダメ……ォェエ！』

「うぉい！忘れてたっ！！」

遠征任務へは絶対にAとは行かないと誓った伏黒だった。