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20.強くなるんだ ページ21

伏黒side



虎杖は、死んだ。

「最期のアイツ…笑ってた。長生きしろよって……」

「長生きしろよって…自分が死んでりゃ世話ないわ」


釘崎に昨日の出来事を話す。
お互い単調に話しているつもりだが、釘崎の表情を見れば必死に取り繕っているのがわかる。

それは俺にも言えること、か。



そんな俺たちの元に、新たな来訪者が現れる。


「なんだ…いつにも増して辛気臭いな、恵。お通夜かよ」


正直このテンションに今はついていけない。
でも先輩だしなぁ…
相手しない訳にもいかないしなぁ…


「禪院先輩」

「私を苗字で呼ぶんじゃ_____」

「真希…真希ー!!」


いつもの調子で話す禪院先輩の後ろから、さらに聞き知った声が増える。


「まじで死んでるんですよ昨日!一年坊が一人!!」

「おかか!!」

「……はやく言えや!!」



ギャーギャー騒ぐ先輩たちとは初対面の釘崎に、とりあえず紹介だけしといてやった。


「禪院先輩、呪具の扱いなら学生一だ。
 呪言師の狗巻先輩、語彙がおにぎりの具しかない。
 パンダ先輩」

「あんた、パンダをパンダで済ませるつもりか」

「…あと一人乙骨先輩って唯一手放しで尊敬できる人がいるが、今海外」

「無視か!」


もう、昨日から疲れているのに…
Aさんとも会ってないし…


Aさん…あんな苦しそうな顔、初めて見た……




ダメだダメだ!
あの人には五条先生がついてるんだから、余計なこと考えんな。




ってかそういやなんで二年生が俺達に会いにきたんだ?


「いやースマンな、喪中に。だがオマエ達に"京都姉妹校交流会"に出て欲しくてな」

「京都姉妹校交流会ぃ?」

あぁ、もうそんな時期か。

「京都にあるもう一校の高専との交流会だ。でも二、三年メインのイベントですよね?」

「その三年のボンクラが停学中なんだ。人数が足んねぇからオマエら出ろ」


なるほどね。


「殺す以外なら何してもいい呪術合戦だ!」
「逆に殺されない様ミッチリしごいてやるぞ!」


それでわざわざ……


「やるだろ?」
「仲間が死んだんだもんな」


俺たちの答えは決まっていた。


「「やる」」


強くなるんだ。


そのためなら何だって

利用してやる!!


もう二度と仲間を失わないように…


あの人にあんな悲しい顔、させない様に……

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作者名:yoku | 作成日時:2022年6月26日 16時

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