優しさをください。25 ページ35
返す言葉もなくただ黙り込んでしまっていると、いつのまにかそばに来ていたのか。
安室さんが背後から声をかけて来た、
安「……そんなにひどい状態なんですか？」
蘭「安室さん……」
少しだけ恨みがましい視線を蘭さんが安室さんに投げる。それを受けた安室さんは「えっ」という反応をした。蘭さんは言葉を続けた。
蘭「……状態は、昨日お話しした通りです。けど……」
安「けど……？」
蘭「昨日よりも傷口が開いているのはどうしてなんですかっ！？」
蘭さんの言葉で、安室さんも私も心当たりがあって「あー……」という反応しかできなくなる。
もちろん、それは安室さんが悪いわけではない。むしろ、この程度で済んだのは安室さんが私のあの無謀な行動を止めてくれたからだ。でなければ、私の怪我の状態はさらに悪化していただろう。
蘭「安室さんは紳士だと思ってたのに！」
安「………………えっ？」
蘭「まさか……こんな傷だらけの女の子に……！！」
安「ちょっ、ちょっと待ってください！なんだか、ものすごく大きな誤解をされているみたいですけど！？」
蘭「だって、彼女から聞きました！」
安「Aさん！？蘭さんに何を言ったんですか！？こんな誤解をされるようなこと、僕たち何もしてませんよね！？」
『えっ！？私も、特に何も言ってないですけど……っ！？』
全く心当たりがないんだけど、なぜか蘭さんはよくわからない誤解をしている。
……本当に、なんだろう。全くわからない。
蘭「もう大丈夫です。今日からうちに泊まってください。お父さんにもちゃんと事情説明しますし、寝る場所も私の部屋で一緒に寝ましょう！」
『……？』
蘭「もう安室さんには任せられませんから！」
……話がさっぱりわからない方向に進みすぎている気がする。
私、何を言ったんだ……。
安「…………お願いですから、一から説明を求めてもいいですか？このままでは、蘭さんの中で僕が最低男になってしまう気がしてなりません……」
安室さんの懇願を聞いて、蘭さんは少しだか落ち着いたのか、冷静になっていく。しかし、安室さんを見つめるその瞳はジト目で、警戒をあらわにしているのは隠しようもない。
私は必死に安室さんと別れた後に、蘭さんと話した会話の内容を思い出した。
『えっと……たしか……昨日は安室さんの車で寝落ちしてしまったとか？』
安「他には？」
『えーっと……あっ、安室さんが優しく抱きしめて一緒に寝てくれたとか』
安「それかっ！！」
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妃沙(プロフ) - 明里香さん» 誤字のご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2018年6月2日 20時) (
レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 安室sideに誤字がありました。「毒の車」ではなく、「僕の車」です。 (2018年6月2日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！！ (2018年5月27日 8時) (レス) id: 35e497a401 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 凄く面白いです！！、更新頑張ってください！応援しています！！！ (2018年5月26日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年5月18日 8時
