優しさをください。24 ページ34
まさかそんな反応をされるとは思っていなくて、私も戸惑う。そんな私を見て、安室さんは脱力したのか、カウンター内でずるずると体を沈めていく。
梓さんは苦笑していた。
梓「違いますよ〜、私と安室さんはただのバイト仲間。そんな関係ではないですよ」
『そうなんですか？』
梓「もちろん！まぁ、安室さんはそろそろ彼女を作ってもいいとは、思いますけどね〜？」
安「梓さん……」
梓「ふふっ、バチは当たりませんよ！」
『……？』
会話についていけなくて、私はまた首をかしげる。
梓「あ、まだ名前聞いてませんでしたね。伺っても？」
『あっ、はい。申し遅れました。私はAと言います』
梓「Aちゃんね！ところで、それ、蘭ちゃんの服？可愛いわね」
『あ。はい、私、記憶なくて、困っていたところを安室さんと蘭さんに助けてもらったんです』
梓「そうなんだ」
梓さんの質問に答えながら、ちらと安室さんを見てみれば、未だにカウンター内で沈んでいる。
……ど、どうすればいいんだろう……。
『…あ、あの、安室さん……』
安「……どこでそんな誤解が生まれたんだ……そんなに距離が近かったか？いや…いつもと変わらなかったと思うんだが……」
『安室さん……？』
安「……！あっ、ココア、すぐに作りますね」
……それを催促するために呼びかけたわけではないけれど、浮上した安室さんを見て、私は何かを言うことを諦める。
と、からんからん、とまた鈴が鳴る、
梓「いらっしゃいませー、あ、蘭ちゃん！」
蘭「梓さん、お邪魔します」
コ「梓ねーちゃん、こんにちはー」
梓「あら、コナンくんもいたのね。何か飲む？用意するわよ」
蘭「あ、じゃあ、オレンジジュース二つお願いできますか？」
梓「かしこまりました。お待ちください」
背中でその会話を聞いていると、蘭さんは私を見つけて近づいてきてくれた。
蘭「ご一緒してもいいですか？」
『えっ？あ、だったらテーブル席に行きます』
蘭「あ、ごめんなさい」
『いえ。私の方こそすみません……』
蘭「じゃあ、そこのテーブル席に移動しましょう。歩けますか？」
『大丈夫ですよ。ここまで歩いてこられましたし……』
蘭「……無理、しないでください。私は、あなたの怪我がどれほどひどいのか、見てるからわかりますよ」
『…………』
ですよね、と内心で思いつつ、結局、私は黙り込んでしまう。蘭さんも心配そうに私を見つめているのがわかった。
……逃げ場がなくて、辛い。
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妃沙(プロフ) - 明里香さん» 誤字のご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2018年6月2日 20時) (
レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 安室sideに誤字がありました。「毒の車」ではなく、「僕の車」です。 (2018年6月2日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！！ (2018年5月27日 8時) (レス) id: 35e497a401 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 凄く面白いです！！、更新頑張ってください！応援しています！！！ (2018年5月26日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年5月18日 8時
