【黒バス】ふはっ、騙されてやがるの(笑)２【赤司征十郎】

５６Ｑ　…何こいつ？ ページ10

朝の事をぼんやりと考えていたら、気づけばあっという間に放課後になろうとしていた。
今日ほど時間があっという間だと思った事は恐らくないだろう。

図書室にでもいって時間を潰そうか。

朝征十郎に、待ってろ、と言われた事を思いだし時間を潰そうと思い立った。
いつもだったら直ぐに帰っていたのに。
まこっちゃんと連絡して。
パソコン立ち上げて。
お腹がすいたら夕飯食って寝て。

そんな俺にとっての当たり前が得体の知れない何かに壊されようとしていた。
「………顔が分からねぇのがたち悪いんだよ…」

ぼそりと呟いた言葉が誰もいない廊下に落ちた。
遠くの方で生徒がのんきそうに話してる声が聞こえた。

お気楽そうで何よりね。
頭にお花でも咲いてるのかしら？

言うわけでもない悪態を頭に浮かべながら廊下を進む。
誰ともつるむ気にすらならない。

「…む。Aか？」

名前を呼ばれて振り向けば見覚えのある奴が目に入った。

「あ。緑間君、こんにちは」
眼鏡を手で押さえ、こんにちは、と返される。
「こんな所で何をしているのだよ」
「図書室に行こうかと思って。緑間君はこれから部活…ですか？頑張って下さいね」
笑顔でそう言えば目をそらされた。
…何こいつ？

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