俺はアーヤの心の友だから。

memory３５　彩side ページ38

彩「もう…中学の最高学年になるんだねぇ。」

ピュッと口ずさんで飛んでいく冷たい風も、積もっていた雪も、全てなくなった。

その代わり、あったかい春風。

満開の桜にまんさくの花がちらほら。

私たちは、中学3年になります。

今日が最後、この教室も。

翼「ね。桜が満開だよ。」

翼は、窓際の席で肘をつき、景色を見ながらニッコリしている。

私もそれを見ながら、景色に目を移し、うっとり。

彩「ねえ、翼。」

翼は振り向く。

翼「なあに？」

私は覚悟を決めた顔になる。

翼も、スッと真剣な顔になった。









彩「私たち…付き合ってるよね？」

翼は一瞬、力を抜いて、

翼「ん。」

と言う。









彩「じゃあ、もう、心の友じゃないの？」

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