俺はアーヤの心の友だから。 (ページ29)

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memory２７　　彩side、翼side ページ29

翼「俺と付き合ってください。」

この言葉、真剣だ。

つい、心臓が止まりそうになる。

彩「ほ、んと？」

翼は、にっと笑って、

翼「もちろん。俺が、アーヤを支えてあげるからね。絶対、守るからね。」

その言葉一つ一つが私を優しく包み込んでる気がした。

私の欲しかった、この言葉。

「支える。」

「守る。」

私だって支えたい、守りたいよ、翼を。

でも、支えてほしかった、守ってほしかった、この心を。

忍や菜穂にも、支えてもらったけど、悲しかった。

つい、翼を修ちゃんに重ねてしまって、もっと悲しくなる。

あぁ、行っちゃう、行かないでって。

でも、これからは…

彩「私のそばにいてくれる？」

涙がポロリ、と零れ落ちた。

彼の答えは…

翼「もちろん！」

！！！

彩「ありがとう。私、元気出たよ。私の…親友だった子との秘密基地に、寄ってかない？見せたいものがあるの。」

翼「うん。」

翼side

なんだろう、俺に見せたいことって。

それより、アーヤが彼女だなんて！

なんか、新鮮。

彼女の方を見る。

なにか、嬉しそうだった。

空を見上げ、何も言わないまま、にっこりしている。

でも、その笑顔の影は、切ない感じがする。

お別れだって言っている感じもした。

彩「ここ。」

知ってる、見たもん。会ったし。

彩「中に入っていいよ。」

ん。

そう言って中に入ってみると、うわぁっと写真が貼ってあった。

翼「この子があの…修ちゃんって子？」

アーヤと隣で笑っている、男の子。

生きていれば…俺たちと同じ中学生で、またこのように笑っていたのかもしれない。

若武たちと同じ…開成に行きたかった、から尚更若武たちとの出会いがあの思いを思い出したんだろう。

彩「これ…なの。」

それは、あの子の遺書、だった。

翼「こんなもの、俺が見ていいの？」

アーヤは頷く。

戸惑いながらも、その封筒を受け取り、中を開ける。

そこには、アーヤに対してのこと、そして、

彼氏ができたら、俺は成仏する。
俺が成仏するには、彩を大切にする誰かが、彩のそばにいてくれる。彩が笑顔で幸せな毎日を過ごす。それだけだ。

アーヤを大切にする人へのメッセージでもあった。

これのどこがメッセージ？

勘だよ。

この手紙が、語りかけてる感じ、

「彩をよろしく。」

と言っているようだった。