俺はアーヤの心の友だから。 (ページ25)

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memory２３　彩side ページ25

彩side

え？翼？

もしかして…泣いてるとこ、見られた！？

まずは、普通に…。

彩「ん、ランニング。おはよ、翼。」

翼「暗いけど…何かあった？」

ビクッ！

そこ…聞かないで…。

そう、私ね、あの時から毎日あの秘密基地に通った。

まぁ、泣いてばっかだけど。

彩「ううん、大丈夫。あの…さ、今日の放課後、話があるんだ。学校の裏庭に来てくれないかな。」

ん、言ってみようと思った、今。

なんか、包み込んでくれる気がしたんだ。

でも…好きってことは、まだ言わないことにする。

翼「ん、いいよ。ゆっくりで、いいからね。あ、家まで送ろっか？」

わ…なんか、優しい。

私の気持ち、分かってるみたい。

とたん、わっと泣いてしまった。

我慢ができなかった。

翼「わっ！大丈夫？泣いてる…。よいしょ。」

翼は、私をおんぶして、私の家まで運んでくれた。

ゆらりゆらりと私を運ぶ翼。

私より少し大きめな体。

私を包み込む背中。

ここは温かい、私を導いてくれる光だ…。

ずっと、ここにいたい。

やっぱり私、翼が好きなんだなぁ。

翼「着いたよ。じゃ、またあとでね。抱え込まないで、俺たち、心の友だからさ。」

ドキッ！

その、「心の友」という言葉に気持ちが沈む。

翼は私のことを、「心の友」としか思ってないんだ。

私も、ＫＺが優先だったけど、最近、翼が好きだって気づいたの。

今更…かな。

なんで、翼と心の友なんてなったんだろ。

心の友は、カレカノの一段階下。

まず、人見知り。

次は、友達。

で、親友。

そして、仲間。

その次が心の友。

最後に、カレカノだと思うの。

一回、心の友なんて言ったら、もう壊せないし、第一、私はＫＺ内で「協定」を作ってるから、ＫＺメンバーとの恋愛はできない。

私が、壊したいって言ってもいいんだけど、そしたら私がＫＺの誰かを好きになってることがバレちゃう。(他にもあるよ。ＫＺメンバーは彩に絶対告白するよ！ｂｙ作者。)

いっそ、ＫＺ辞めちゃおうか。

でも、ＫＺは生き甲斐だもん、辞めたくない。

まぁ、この恋は心に閉まっておこう。