俺はアーヤの心の友だから。 (ページ11)

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memory10　翼side ページ11

翼side

今、談話室にアーヤ抜きで集まっている。
ＫＺ会議のあと、アーヤは、「協力できない。」と言って、飛び出して行ってしまった。
今はその反省会も含めた会議。
あの後、黒木は秀明をフケて、情報収集しに行った。
まだ黒木は来てないけど、周りの皆、シーンとしている。
若武はすごく落ち込み、上杉は天井を仰いだまま、小塚はずっとオロオロ。
翼「ねぇ、アーヤがもしいじめられているのなら、犯人の予想はつくんだけど。」
瞬間、皆が一気にこっちに向いた。
翼「うちのクラス、2年Ａ組の佐藤か佐田。」
若「美門、ナホちゃんって知ってる？」
ナホ？あー。
翼「ん、最近浜田に転校してきたヤツ。」
すると、若武たちは嬉しそうに頷き合った。
俺が不思議そうにしていると、
小「あのね、武田菜穂は精神科の病院に入院してたんだよ。」
上「そんで、万引きの常習犯。」
小「親は離婚も考えている。」
上「そして、」
そこで言葉を切り、小塚と頷き合う。
俺も分かった、アーヤに教えてもらったから。
上小翼「「「若武の初恋の相手！」」」
皆で声を揃えて言い、クスクス笑った。
若武は、頬を赤らめる。
上「ってか、何で美門が知ってんの。」
フフフ。
翼「アーヤから、説明を受けたから。」
翼「で、アーヤはどうすんの。」
皆がハッと我に返る。
若「やっぱ、いじめなんじゃないのか？」
上杉がスマホでなんやら検索を始める。
若「あの表情、あの質問。あの時はそんなことしなかったじゃん。」
小「なんで、美門はあの二人が犯人だと思ったの？」
翼「あのさ。若武に質問した時、その子には会ってないの？って言ってたじゃん。」
皆がうなずくのを見て、話を続ける。
翼「その前に、『さ』って言ってたんだ。言いかけたけど、慌ててその子に言い換えた。」
また、皆がうなずく。
翼「ってことは、知られたくなかったんだ。なんか前から拗れているのは、佐田と佐藤。どっちも『さ』がつくから、その二人のどちらか。」
皆がなるほど、と頷いた。
するとガチャ。
黒木が来た。
黒「ははん。いい情報が入ったよ。美門に続く、いい情報を教えよう。」
何っ！？