171 秘宝 ページ37
楽しい思い出、その反面辛い思い出、楽しい思い出
そして一瞬、
ほんの一瞬だが、ドラコの顔を思い出したAは、じわりと目元が熱くなった。
「(もう一度会いたい…)」
するとAの気持ちに答えるように、するっとAの中で不思議な感触が過った。
そして人でも獣でもない気配に気がついた時、Aの目の前に白いフェレットが再び舞い降りていた。
「伝言を頼みたいの、」
Aは恐る恐ると言いたげにフェレットに囁くと、暫くこちらを見つめていたフェレットは、くるんと空を一回転してからAの元から消えて行った。
「(居場所も分からないのに。果たして上手く行くのかしら…)」
Aは不安げに顔を歪ませたが、それでも躊躇している暇はなかった。
この白樺の木がある以上、彼らが追ってくるのは火を見るより明らかだった。
「(そして私が頼れる杖はこれっきり…)」
扉の外で待ってくれている双子には申し訳ないと思ってはいたが、Aはやはり根っからの闇祓いの気質なのだ。
「ごめんなさい。」
一つ謝罪の音が響き、すんっとAは消えた。
ーーー
「姫、お食事の準備が、」
フレッドが扉を開けはなつと、そこはもぬけの殻だった。
ついさっきまでベッドで魘されていたはずの少女は、自分の身が危ういことを知っていたらしい。
「(無茶しすぎだろ…)」
フレッドが呆然と突っ立っていると、双子の片割れがそばに立っていた。
「姫、言っちゃったみたいだな。」
「ああ、全く…俺たちはナイトの役もさせてもらえないらしい。」
「まあそれが姫のお望みとあらば、」
「「仕方がない…」」
どちらとも付かない溜息が辺りに木霊した。
ーーー
その頃アレンは正式に不死鳥の騎士団として動き、夜の見張りを交代し寝ようとしていた。
すると、何の予兆もなく舞い降りた白いフェレット。
アレンは最初戸惑ったがしばらくして、守護霊の主に想像がついたアレンは、A？と呼んでそのフェレットを引き寄せた。
「(もう守護霊を出せるようになったのか、おまけに伝言まで…)」
アレンは小さなフェレットを抱き締め、か細い声と一緒に流れてくるAの伝言を受け取った。
それはアレンに取って非常に耳寄りな情報だった。
「(マレリーヌの杖に、親父の死喰い人の件、更にはリアンとドビーの罠か…)」
想像以上に大変な事になっている従姉妹に同情したアレンは、一人考え込んでいた。
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アサノ(プロフ) - ゆずさん» 出てくる人間の性格は結構こだわっているので、嬉しいです^ - ^楽しみして貰えるとは、ありがとうございます(^^) (2017年9月18日 20時) (
レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 次回も楽しみにしてます！内容や登場人物が薄っぺらくなく、とても読み応えがあって面白いです！これからも頑張ってください！ (2017年9月18日 19時) (レス) id: 8be8c5e4d7 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！最後までお付き合いして頂けると嬉しいです^ - ^ (2017年9月17日 20時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 完全オリジナルのストーリー面白いです！すごく読みごたえがあります!!これからも頑張ってください(*´-`) (2017年9月17日 18時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - はなさん» ありがとうございます^ - ^楽しみしていただけると励みになります。こちらこそ宜しくお願いします(^^) (2017年9月16日 23時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月16日 13時
