160 贖罪 喰うか ページ26
Aはしびれを切らしてリアンに詰め寄った。
「ねえリアン、私は結構気が短いの、何故私をここに連れて来たの？
墓を開けるため？
それとも私をここで殺すため？」
「滅相もございません！！！」
二つめは流石にないだろうと思っていたが、想像以上に強く否定されAは困惑した。
「実は、その、これが墓を開ける鍵なのです。」
スッとリアンが差し出した鍵をAは訝しげに見つめた。
「何を言っているの？
これは家の鍵よ。
何度も使ったから見間違えないもの、」
「いえ、違うのです。
この鍵は私めが墓の掃除をするときに、形状だけは"全く"同じにしてもらったのです。
そしてここに掃除に来ると墓の魔力に反応して、鍵の形がスッと変わるのです。
ですが、「形は変わって無い、と。」
Aはリアンの手の中の鍵を見つめていた。
そして一瞬チラリとリアンを見つめた。
ん？と言いたげに小首を傾げるリアンに、Aはゆっくりとため息をついた。
「…分かったわ、墓を今開いてあげる。」
Aはすくっ立ち上がり、あの薄気味悪い歌を歌った。
すると、ガタガタガタッと地面が割け、ごおおっと地下から風が吹き抜けて来た。
「ではリアンめが先に、」
リアンはAを気遣い先頭を切って、踏み出した、
途端、ずぶっとリアンの身体はぬるりとした泥のようなものに絡め取られた、
「A、さま、」
リアンの驚愕した表情を見つめたAは、一歩下がって、ポーチに備えていた昔の杖を構えた。
「リアン、
いいえ、リアンを操っているのは誰？」
「何をおっしゃっているのですか！！！
早くっ、早くっ、死んでしまうっ！！！」
もがき苦しむリアンにAは顔をしかめるが、直後元の真剣な闇祓いの顔にスッと戻ったA。
Aの脳裏には父親の筆跡が、鮮やかに浮かび上がっていた。
「父は墓のありかを知らない、
だから父の手で書かれたこの手帳自体がおかしいの。」
Aは取り出した手帳を燃やした。
それを見た途端Aの顔はみるみる青ざめていった。
「おのれ、」
高いキーキーとした声は失せ、リアンの声に混じって誰かの低い声が聞こえて来た。
「それにリアンは私をA様とは呼ばないの、闇祓いをなめないで貰いたいわね。
さあ、貴方は何者、」
Aが警戒心を露わにし、杖を構えた途端、
パチンと指が鳴らされ、Aがリアンを見上げていた。
一言で言うなら取り替え呪文を仕掛けられたのだ。
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アサノ(プロフ) - ゆずさん» 出てくる人間の性格は結構こだわっているので、嬉しいです^ - ^楽しみして貰えるとは、ありがとうございます(^^) (2017年9月18日 20時) (
レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 次回も楽しみにしてます！内容や登場人物が薄っぺらくなく、とても読み応えがあって面白いです！これからも頑張ってください！ (2017年9月18日 19時) (レス) id: 8be8c5e4d7 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！最後までお付き合いして頂けると嬉しいです^ - ^ (2017年9月17日 20時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 完全オリジナルのストーリー面白いです！すごく読みごたえがあります!!これからも頑張ってください(*´-`) (2017年9月17日 18時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - はなさん» ありがとうございます^ - ^楽しみしていただけると励みになります。こちらこそ宜しくお願いします(^^) (2017年9月16日 23時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月16日 13時
