137 秘宝 ページ3
そしてそんな笑みにAは寒気がしていた。
「本当に弁が立ちますね。
素直に言ったらどうです、自分達が裏から操れなくなるのが嫌だと。」
「若者らしい結構な考えだが、多少の口には気をつけた方がいい。」
「早く本題に入りましょう。」
ぎらりと視線が交差する中、ニコライ氏は不敵に笑う。
「ちなみに言うと君に拒否権はない。」
「どういう意味です？」
「どんな事情であっても、杖の保持者を語るのは頂けない、しかもマレリーヌ・C・マロニエの杖とあればな。」
「(C…？)」
Aは聞きなれない単語に疑問になるが、ニコライ氏はお構いなく続ける。
「魔法省からすれば優秀な闇祓いの一族から、君のような問題児を出したくない。
どんな理由があっても規則は規則だ。
この意味も勿論君ならわかるだろう。」
高圧的な姿勢を崩さず、それでいて言葉だけは下手に出ている。
ニコライ氏の魂胆を察したAは、いっそ清々しいと感服していた。
「私を見逃す代わりに、ホグワーツに戻れと？」
肯定するように力強く頷いたニコライ氏に、Aは険しい表情になった。
今この状況でAがホグワーツに戻る事は、何よりも危険だ。
だが、それ以上にクラシスの名を盾に脅されては、Aが頭にくるのも同然だった。
ようやっと解放してもらえたAは、今度こそ自身の別荘に向かい、人里離れた郷里で魔法の練習をしていた。
貴女さえ居なければ。
アストリアの声が響く中、Aは目眩がしていた。
罪悪感が募る一方だが、Aが気がついたところでソレはどうしようも出来ない事だった。
「(もう、止めなきゃ。
私だって…他人の事に気を配っている場合じゃないのに…)」
Aは気合いを入れるようにパンッと両頬を打って、前を見据えた。
ホグワーツが安全でなくなった今、Aはハリーが学校に戻ってくるとは思えなかった。
「(自分の身は自分で守らなきゃ。)」
Aはホグワーツからの手紙を握りしめ、出発の支度をした。
書状には一言、
【ホグワーツ魔法学校スリザリンに在籍するA・マロニエ殿
貴殿を次期スリザリン生の監督生並びに、今学期の首席である事を認めます。
ホグワーツ魔法学校、校長
_____セブルス・スネイプ】
最後の一文を目に止め、Aはくしゃっと紙を握り潰した。
Aがホグワーツに在籍できる最後の一年であり、決着を付けなければ行けない最後の一年でもあった。
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アサノ(プロフ) - ゆずさん» 出てくる人間の性格は結構こだわっているので、嬉しいです^ - ^楽しみして貰えるとは、ありがとうございます(^^) (2017年9月18日 20時) (
レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 次回も楽しみにしてます！内容や登場人物が薄っぺらくなく、とても読み応えがあって面白いです！これからも頑張ってください！ (2017年9月18日 19時) (レス) id: 8be8c5e4d7 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！最後までお付き合いして頂けると嬉しいです^ - ^ (2017年9月17日 20時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 完全オリジナルのストーリー面白いです！すごく読みごたえがあります!!これからも頑張ってください(*´-`) (2017年9月17日 18時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - はなさん» ありがとうございます^ - ^楽しみしていただけると励みになります。こちらこそ宜しくお願いします(^^) (2017年9月16日 23時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月16日 13時
