85 ゴブレット 第二の課題 ページ45
第二課題を迎えるこのごろ、Aは再びアレンに呼びされていた。
例のごとく裏庭に呼び出したアレンはどこか浮かれていて、Aはそれを訝しんだ。
「で今日は？」
「ああ実は…今度の競技では思い切って、あのセドリックと入れ替わってみようかと思って。」
「なっ」
「いや、大丈夫上手くするからさ。」
「然ういう問題では無いでしょう？！」
流石にそんな危険な事をさせられないと言い切るAに、多少は危険を試みなきゃ話しにならないと譲らないアレン。
二人の口論はヒートアップした。
「いい加減にして下さいっ貴方の事は信頼しています。
でもこんなのあんまりです！」
「現場で見なきゃ分からない事だってあるっ、
それとも君はこの戦いに彼奴等を巻き込ませたいのかっ！！」
「違うっそんな事一言も言っていないっ！！」
二人の激怒ぶりは近くに居た生徒達に、ばっちり見られていた。
二人はきまずくなって、両者はバッと離れて行った。
Aはアレンの危険な策にあんまりだと思っていた。
けれどソレくらいの事をしないと、事の事態が見抜けないのは事実だった。
Aはすっかり堂々巡りの結論に悩んだ。
そして前を向いていなかったAは、とんっと誰かとぶつかった。
前を向くとそこには意外な人物が居た。
「あ”〜だいじょうぶ、か？」
慣れない英語に、Aは流暢なブルガリア語を使って微笑んだ。
『大丈夫ですよ。』
『なら…いいんだ。』
まさか母国語では帰ってくるとは思わなかったらしい彼は、驚いた後微笑んでいた。
『さっきアレンと凄い喧嘩になっていたよね…』
『ええ…少し。』
言葉を濁すAに、クラムはそれ以上は追求する事は無かった。
『アレンか…確かに彼奴は俺より凄いよ。
頭もいいし、クィディッチだって本当は上手いんだ…なのに、彼奴はいつも応援席で俺たちを応援するばかりさ。
多分ああいう奴は、きっともの凄く恐い奴だと思う。』
『えっと何故…』
無自覚にもアレンの正体を見抜いていたクラムに、Aはこの人も十分優秀な魔法使いだわと思っていた。
『理由なんか無いさ。
でも危険だって分かっていても、真っ先に飛び込む奴はクィディッチでも恐れられている。』
説得力のありすぎる言葉にAが苦笑していると。
『あの、アレンは時々口も悪くなるけど、悪い奴じゃないんだ。
そこは分かってくれよ。』
懇願する彼にAは、ええと言葉を濁した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アサノ(プロフ) - haijindesitaさん» 申し訳ありません、ボードの方に纏めさせて頂いたので、大変失ですが、そちらからどうぞ。 (2018年3月7日 22時) (
レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
haijindesita(プロフ) - 次の話のパスワードを知りたいです！ (2018年3月7日 12時) (レス) id: a915e88963 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！お返事頂けると励みになるので、嬉しいです^ - ^更新は随時やっていきますね(^^) (2017年9月6日 8時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 更新されたお話、全部読みました!!おもしろくて、すごく引き込まれます!!これからも応援します!! (2017年9月5日 21時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作成日時：2017年9月5日 14時
