83 ゴブレット ページ43
白の蝶ネクタイに、黒一色のシックな色使い。
それは元から整っているドラコの顔立ちをすっと自然に引き出し、加えてすらっと伸びた背に似合うフォーマルな着こなし方。
普段は見られない男らしい佇まいにAは素直に感想を述べた。
「あ、あ＿＿その、ありがとう…」
「本当の事よ、
それとさっきはごめんなさい。私、なんだか心配させてしまったみたいね。」
恐らく根本的な原因には微塵も気づいていないであろう、ふんわりとした自然な笑顔にドラコはくらっときた。
「あっ、行きましょう、直にワルツになるわ。」
「ああそうだな…その手を、」
緊張しているのかどこか固いドラコにAはふんわりと笑い、やけに優しい紳士の腕に寄り添い、ホールの中央にまでしゃなりしゃなりと歩いていく。
一拍開けて流れてきたおなじみのテンポに、ドラコはいつも通りと自分に言い聞かせ、パートナーの腰を引き寄せてゆったりとリードして行く。
一方のAもドラコの手を取って、くるりとステップを踏んでいた。
ドラコは近くでする香水の匂いに、正直平常心を保っているので精一杯だったが、あちこちからくる視線の意味に気づき、しっかりパートナーをリードする事だけを考えた。
一方のホール出に出ていない連中は、一組のダンスに目を奪われていた。
まるで昔からずっと一緒に居た様な、息ぴったりのダンスは見惚れるだけの素晴らしさがあった。
男子生徒は、常にクールな佇まいで、杖を持つだけで凄みのある女性が、あそこまで綺麗に着飾ってくるとは想像もしなかったらしい。
傍らのパートナーから一瞬でも視線を外す程、くるりくるりと回り続けるAに見とれていた。
一方のドラコはそんな周囲に睨みを効かせながら、思い切ってその綺麗な横顔に向かって囁いた。
「綺麗だ。」
「っ、」
まさか踊っている最中に感想が貰えるとは思ってなかったらしいAは、カッとステップを踏み損ねる。
だがそこは相手がいい。
ドラコはスムーズにAの腰を引いて、彼女の失態など無かったかの様にリードを続けた。
Aはなんて返したらいいのか暫く迷っていたようだが、やがて、
「あ、ありがとう…」
とぽつりと一言返し、まんざらでもなさそうに頬を朱に染めるAに、ドラコの意識は昇天しそうだった、ところが…
「(あれ…)」
以前にも感じた既視感が再び、今度は以前よりも確信を持って浮上して来た。
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アサノ(プロフ) - haijindesitaさん» 申し訳ありません、ボードの方に纏めさせて頂いたので、大変失ですが、そちらからどうぞ。 (2018年3月7日 22時) (
レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
haijindesita(プロフ) - 次の話のパスワードを知りたいです！ (2018年3月7日 12時) (レス) id: a915e88963 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！お返事頂けると励みになるので、嬉しいです^ - ^更新は随時やっていきますね(^^) (2017年9月6日 8時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 更新されたお話、全部読みました!!おもしろくて、すごく引き込まれます!!これからも応援します!! (2017年9月5日 21時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作成日時：2017年9月5日 14時
