80 ゴブレット ページ40
けれどその後は正に楽しい時間だった。
Aもドラコと言うパートナーとの仲直りを果たせたおかげか、すっかり上機嫌になっている。
そんなやや浮かれ気味のAに近づいてくるのは、親友の一人。
「Aってやっぱり綺麗ね。」
「アメリア、貴女パートナーはどうしたの？」
「然ういう貴女こそ。」
「ドラコは飲み物を取りに、」
「私もよ。」
ちらっと視線を投げ出された先には、何とセオドールが手を振っていて、Aはへえっと感心して居た。
「(あの食わせ物をパートナーに出来るなんて…流石。)」
自慢の親友だと改めて自覚したAは、感慨深くうんうんと頷いていると、アメリアは不思議そうな顔をする。
「そういえばサラは？」
「ああ、あの裏切り者ならほら。」
くいっと首を振られた先には、年上らしい男の人と楽しげに話しているサラ。
Aは幸せそうなサラに微笑み、アメリアはその横顔を眺めてやれやれと溜め息を吐いた。
「裏切り者だなんて…いいじゃない幸せそうで。」
「普段から然ういう顔をしていればいいのに…」
「え？」
「いいえ。なんでもないわ…」
アメリアは直ぐにもとの顔に引っ込んでしまったAを見つめ、それじゃあと立ち去り、やって来たセオドールの腕を取って、会場の中に紛れてしまった。
「(それにしても…ドラコは何処まで行っちゃったのかしら。)」
置いていかれたAは、ちょっとしょげていると、ちょいちょいと誰かに肩を叩かれる。
「誰、ってネビルじゃない。」
「やあ、決闘の時以来だね。」
「そう言えばそうね。」
と頷くAに、ネビルはうつむきながら挨拶をした。
「メリークリスマス。」
「貴方もメリークリスマス。」
「あああーえっとその…君今日、とっても綺麗だね。」
勇気を振り絞ったネビルの告白に、Aはふわりと笑ってありがとう、とネビルにお礼をいった。
「一人なの？
ほら、確かマルフォイと一緒に居た筈じゃ…」
「それが中々戻って来なくて…場所を忘れたか、それとも忘れられちゃったのかしら？」
悪戯っ子みたいに笑うAに、ネビルは一瞬惚けたが、そんなことないよと優しく否定した。
「大丈夫だよ、マルフォイはその…僕とかハリーにはあれだけど、君にはきっと優しいから。」
「ありがとう、そうだといいんだけどね。」
肩を竦めて、下手くそな作り笑いのAに、ネビルはまた変な不安に駆られた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アサノ(プロフ) - haijindesitaさん» 申し訳ありません、ボードの方に纏めさせて頂いたので、大変失ですが、そちらからどうぞ。 (2018年3月7日 22時) (
レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
haijindesita(プロフ) - 次の話のパスワードを知りたいです！ (2018年3月7日 12時) (レス) id: a915e88963 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！お返事頂けると励みになるので、嬉しいです^ - ^更新は随時やっていきますね(^^) (2017年9月6日 8時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 更新されたお話、全部読みました!!おもしろくて、すごく引き込まれます!!これからも応援します!! (2017年9月5日 21時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作成日時：2017年9月5日 14時
