60 アズカバン ページ19
「(一体何が目的なの…)」
疑問を隠せないA。
それでもクルックシャンクスのやったように、暴れ柳の根元まで行きその攻撃をいとも簡単に避けた後、クルックシャンクスに続いて中に入って行く。
猫特有の性故か、Aは何故か周りの景色も音も、鮮明に聞こえていた。
そう、例えば大人三人と良く知る三人組の言い争う声とかも…
にゃあ〜〜〜
とクルックシャンクスは盛大に泣き声を上げて、Aを見つめていた。
誰か居るのかとドタバタとした足音を聞いて、Aは即座に人の姿に戻っていた。
現れたスネイプは、Aを呆然とした様子で見つめていた。
Aは周りの視線を無視して、ロンの腕の中で踞っているソレを見つめるなり、ばっと取り上げた。
「アッおい何するんだよっ！！」
「ロン、ダメよ。
こんな薄汚いおじさんを庇うなんて。
さあ殺されたくなかったら、さっさと正体を現すことね。」
ぐぎっと鼠の首が折れそうな勢いでAは威圧していた。
Aは彼が鼠の姿なのに、人間に化けた薄汚い男と直ぐに分かっていた。
そして驚いたようにAを見つめ、緊張と恐怖の混じった目で自分を見ていると男の存在にも。
スキャバーズは身を捻って、Aの指を噛みちぎろうとしたが、Aはソレを許さない。
ぶんっとスキャバーズを壁に投げつけ、壁にぶち当たった鼠に小声で呪文を唱えた。
するとドブネズミの様にぼろぼろだった男は、もとの姿に戻っていた。
Aはそのザマを見つめ、ふんっと鼻で笑い飛ばした後、
〈縛れ＿＿＿Incarcerous〉
とロープでぐるぐる巻きに縛り上げ、男の杖を蹴飛ばし一瞥した。
あまりの手際の良さに周りは呆然としていた。
だが一人だけ違っていた。
「A、君は、」
がしっとAの肩をつかんでいたルーピンは、その肩が小刻み震えている事に気がついていた。
Aは振り向き様、この場に居る全ての者に向かって、呪文を一つ唱えた。
〈忘れよ＿＿＿Obliviate〉
さあっと部屋全体に散った呪文はAの意思に拠って、器用に今の行動のみが彼らの頭の中から消え居てた。
勿論ピーター・ペテグリューの中からも。
Aは悲しげにその様子を眺め、ささっと出て行き、怒った様な足取りで城に向かっていた。
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アサノ(プロフ) - haijindesitaさん» 申し訳ありません、ボードの方に纏めさせて頂いたので、大変失ですが、そちらからどうぞ。 (2018年3月7日 22時) (
レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
haijindesita(プロフ) - 次の話のパスワードを知りたいです！ (2018年3月7日 12時) (レス) id: a915e88963 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！お返事頂けると励みになるので、嬉しいです^ - ^更新は随時やっていきますね(^^) (2017年9月6日 8時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 更新されたお話、全部読みました!!おもしろくて、すごく引き込まれます!!これからも応援します!! (2017年9月5日 21時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作成日時：2017年9月5日 14時
