57 アズカバン パーティー会場にて ページ16
そしてクリスマスの日。
ウィーズリー兄弟のもてなしに疲れて、正直行く気も起きなかったが行くしかないと自分に鞭打ったAは、豪勢な会場を目の前に、流石…と惚けた。
アイスブルー一色のスレンダータイプに、胸元にレースをあしらったドレスを見にまとい、翡翠の髪飾りで、長くたっぷりとしたプラチナブロンドを括り上げたA。
表の門番に招待状を見せて、Aはシャンと前を見て歩いていた。
「(魔法省の重要役員に、グリンゴッツの銀行員に、
それに財界の担い手に、純血一家の当主
流石ね…)」
常に危険の中に身を投じる闇祓いに取って、まるで別世界だったが、強ち他人事とも思えない顔ぶれに、Aは感心していた。
「(あれは…)」
Aの視線の先には純血主義として有名なブラック一家が、同じく純血主義と謳われるグリーングラス家と談笑をしていた。
すると見慣れた黒髪の彼女がAに駆け寄った。
「Aもこっちに来ていたのね。」
隙のない佇まいのAに、ニコッと笑っているアメリア。
Aは経緯が経緯だけに曖昧に微笑んだ。
「ええ、」
「分かってるわ、ドラコ・マルフォイに呼ばれたんでしょう？」
「そうだけど…ここは彼の家だからもうちょっと気を使わないと。」
随分と声が大きい上に、明け透けな物言いにAは念を押すがアメリアはどこ吹く風の顔。
「シリウス・ブラックの一件で落ち着かないみたい。
あれは家族じゃないの一点張り。
聞いてて飽きちゃった。」
アメリアの意味ありげな視線を、そう、と交わしたAは視界の端に今回の主催者を見つけ、挨拶をしに行った。
その後ろでアメリアが意味ありげにため息を吐いたとも知らずに。
向かう先々で、訪れた紳士淑女に形ばかりの挨拶をして、今回の主催者の元に向かって歩いて行く。
「ルシウス・マルフォイ様、ナルシッサ・マルフォイ様、そしてドラコ・マルフォイ様。
この度はお招きいただきありがとうございます。
私、A・マロニエと申します。」
恭しく最上級の礼儀作法をすると、マルフォイ夫妻は満足そうに頷いた。
「ドラコのお友達が来るとは聞いてたけど、まさかマロニエのお嬢さんだったなんて。」
「マロニエ夫妻はお元気か？」
「はい両親揃って息災です。」
きらっと薄い灰色の目がルシウスの目を捕えた。
ソレに対して何の違和感も無くルシウスは満足げに頷き、ドラコに対して、良い友人を持ったなと声をかけて行ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アサノ(プロフ) - haijindesitaさん» 申し訳ありません、ボードの方に纏めさせて頂いたので、大変失ですが、そちらからどうぞ。 (2018年3月7日 22時) (
レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
haijindesita(プロフ) - 次の話のパスワードを知りたいです！ (2018年3月7日 12時) (レス) id: a915e88963 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！お返事頂けると励みになるので、嬉しいです^ - ^更新は随時やっていきますね(^^) (2017年9月6日 8時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 更新されたお話、全部読みました!!おもしろくて、すごく引き込まれます!!これからも応援します!! (2017年9月5日 21時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作成日時：2017年9月5日 14時
