56 アズカバン 魔法薬学教授と ページ15
その日の夜、Aは就寝間際だと言うのに、スネイプの元に訪れ、魔法薬学について教えを請いてた。
「次は、この人を酔わせる薬の調合で記述通りにやったのですが、出来上がりが澄んだ紫ではなく濁った青になってしまって…」
「それは調合すべきカエルの足の種類が違っていたのだ。
アマビキガエルがその一つだ。
本当に使うべきモノはイノダチガエル、身体の斑点が酷似しているために間違えたのだろう。」
「なるほど…」
納得という顔のAだったが、スネイプは面倒だと言う顔を崩そうとしない。
筆記が馬鹿に悪い生徒にうんざりしていると言いたげの顔だ。
Aがあと五分ねと、検討をつけた時、不意に視界に見慣れないゴブレットが映った。
「ん？」
中をのぞいてみれば、何かが煮えくり返っている気味の悪い代物。
コレは一体＿＿＿と言いたげに振り返ったAに、スネイプは呆れた。
「それが何なのかも知らないのかね。」
「はあ、」
「それは脱狼薬といって、狼に変身しても理性を失わない代物だ。」
「脱狼薬は確か、人狼になってしまったものへの薬…ということは人狼薬が必要な人がこの学校に？」
一足飛びに結論をはじき出した生徒に、スネイプは呆れた。
「そこまで分かっていながら何故来た。
第一経験豊富な闇祓いの娘だ、質問なんてないだろう。」
「＿＿＿そんなことありませんよ。」
今度はこちらが詮索される番か、と悟ったAは早々に帰り支度を始めた。
「おや、もうお帰りかね。Msマロニエ。」
「ええ。」
端的な返事に不自然な間が残る。
ん？と不審がるA、見ればスネイプがじいっとこちらを見て居た。
「あの、何か？」
「言わないつもりだったが敢えて言おう。
＿＿自ら首を突っ込んで後で泣きを見るのは、自分だと思いたまえ。」
サッとローブを翻してスネイプは立ち去って行く。
一方のAはまさかの忠告に吃驚していたが、早々に部屋から引き上げ、薄暗い廊下を歩いていると、
アオ〜〜ン
と遠くから遠吠えが響いて来た。
「(あっ、スネイプ先生がわざわざ調合する薬の宛先人を聞き忘れたわ。)」
Aは、しまったと渋い顔をした。
シリウスについて嗅ぎ回っている事を自覚して居たAは、万一にでも危険がないとは言い切れないからだ、しかしそこは闇祓いの娘。
「(まあどうにでもなるわね。)」
さらっと問題を流したAは、今年は大変だわと言いたげに大きくため息をついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アサノ(プロフ) - haijindesitaさん» 申し訳ありません、ボードの方に纏めさせて頂いたので、大変失ですが、そちらからどうぞ。 (2018年3月7日 22時) (
レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
haijindesita(プロフ) - 次の話のパスワードを知りたいです！ (2018年3月7日 12時) (レス) id: a915e88963 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！お返事頂けると励みになるので、嬉しいです^ - ^更新は随時やっていきますね(^^) (2017年9月6日 8時) (レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 更新されたお話、全部読みました!!おもしろくて、すごく引き込まれます!!これからも応援します!! (2017年9月5日 21時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作成日時：2017年9月5日 14時
