7 賢者 ページ9
だが、二人の元の性格のせいなのか、ハーマイオニーの押せ押せ気味に対して、Aのクールな対応が周りへの波風を呼んでいた。
標的になったのは勿論ハーマイオニーの方だった。
Aは純血の一派、それを侮辱したとあってはスリザリン全体が黙っていない。
そのせいもあってか、ハーマイオニーへの風当たりは余計に強くなっていった。
ある日の呪文学の時、いつもなら駆け寄ってくる筈のハーマイオニーが、通り過ぎてしまったことに違和感を覚えたAは、ハーマイオニーを追いかけた。
「ハーマイオニー、待って。」
「な、なにっ、」
ややヒステリック気味に叫んだハーマイオニーの目元は濡れていた。
一体どうしたの、そう言う前にハーマイオニーは逃げるように立ち去ってしまった。
すると背後から誰かがよって来る。
見れば赤毛の男の子眼鏡の男の子、要はロナルド・ウィーズリーとハリー・ポッターだった。
やや驚いた様子のAは、一瞬迷ったがハーマイオニーが気になったので、尋ねてみると、二人とも渋そうな顔した。
いや、正確に言うとロナルドの方だった。
「なに？彼女に余計なことを言ったの？」
「あーいやー、えっーーと、」
なんだか煮え切らない態度にイライラしていると、ハリーが言葉を選んでしどろもどろに答えた。
「実は君が無理にハーマイオニーに、付き合ってるんじゃないかって、噂が、」
「ああまたなの…全く、誤解だって言ってるのに…」
はああっと盛大にため息を吐いたAは、杖を取り出して、ヒョイッと一振り、ぽんっと何もないところから、お菓子のような包み紙が出てきた。
「これをハーマイオニーに渡してくれないかしら。
多分この方角だと、自分の寮談話室のはずでしょうから。
別寮の私は合言葉までは分からないもの。
後、伝言でその、ハロウィンまでに元気になってくれると嬉しいって、伝えて。」
そばかすが一層目立つように、ちょっと照れながら渡したAに、二人はぼうっと眺めていたが、お互いにうんと頷いて真っ直ぐ談話室に向かった。
が、ハーマイオニーは女子寮に入ってしまったらしい。
これではAの預けものも渡せない。
かと言って人伝の物を更に人づてに渡すのは気が引けて、
「明日に出直すか。」
「そうしかないみたいだな。」
はあっと肩で息をした二人は、やや憂鬱な気分になった。
なんせ明日がそのハロウィンパーティーだったのだ。
だが、悪い時に事件は重なる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 245人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！拙い作品ですが、最後までよろしくおねがいします(￣^￣)ゞ (2017年9月2日 7時) (
レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - お話とても面白いです！続きも楽しみにしてます!頑張ってください！ (2017年9月2日 0時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作成日時：2017年8月31日 19時
