4 賢者 ページ6
ここはホグワーツ魔法学校。
重厚な城の柱
仄かにちらつく炎たち
夕陽に染まった真っ赤な大地が、次第に黒々した空に覆われて行く中、
真新しいローブを羽織った新入生たちは、好奇の目で辺りを見渡した。
歓迎してくれる上級生と先生達、
すぐ傍に居る見慣れない同級生、
コツコツと鳴る石造りの床を、空中に浮くゴースト達が立ち去って行く。
さあて、組み分けの時だ。
一斉に歌い出した中、リズムに乗せて垂れ下がってくるのは、四つの紋章が入ったタペストリー達。
古びた帽子が中央に置かれ、緑のローブを羽織りしゃんと立つ女性が、大声で生徒達の名前を呼んだ。
今年は特に賑わっていた。
何故なら例のあの人から逃げ出した少年、ハリー・ポッターと、スリザリンを代表するマルフォイ家の長男が。
そして、優秀な闇払いを多く出してきた家、クラシス家の者が入ってくると噂されているのだ。
ドラコ・マルフォイはスリザリンへ。
ハリー・ポッターはグリフィンドールへ。
だが、最後の生徒が呼ばれるまで、全員が目を皿のように探していたクラシス家の者は出てこなかった。
会場の連中が訝しげに辺りを見渡すが、それらしい者はどこにもいない。
ドラコ・マルフォイは首をかしげた。
自分の家と敵対する者の顔を知っておこうと奮起していたのに、これはどういうことか、と思っているところへ、カタンと一人の少女が傍に腰かけた。
「こんばんわ、Mr.マルフォイ。
私A・マロニエと言うの、宜しくお願いしますね。」
ふわりと靡いたプラチナブロンドを、邪魔そうにかきあげて、隣に座っているドラコにAは握手を求めた。
「(マロニエ…聞いたことがあるような、ないような…)」
誰だ？と思い出せないドラコは、自分と酷似した容姿を持つ少女を見つめた。
薄い灰色の瞳がドラコの目を離さない。
レディーに恥はかかさない事、耳にタコが出来るほど叩き込まれた母の言葉を思い出し、ドラコは面倒そうに手を差し出した。
「ああ、よろしく。」
そっけない一言でも少女は満足したように微笑んで、スッと手を取り去った。
だが、わずかに離れたその瞬間、チリッと頭に走った頭痛。
何かが自分の中になだれ込んで来る、思わず本能で警戒したドラコを他所に少女の唇が僅かに動いた。
途端、ドラコの頭痛は止んだ。
「(なんだ、今のは…)」
混乱するドラコの様子に周りは気がつかない。
少女は一人微笑んだ。
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アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！拙い作品ですが、最後までよろしくおねがいします(￣^￣)ゞ (2017年9月2日 7時) (
レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - お話とても面白いです！続きも楽しみにしてます!頑張ってください！ (2017年9月2日 0時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作成日時：2017年8月31日 19時
