39 秘密 甘い罠 ページ42
バレンタインに思いを伝えられないシャイな生徒向けの、愛の告白伝達係ドワーフが、授業の合間にでもお構いなしにやってくるのだ。
呆れたAは、それでも律儀に一枚一枚を捲っていた。
名前が書いてある真剣な分が八割で、残りの二通は名無しのお礼と言った綴りだ。
「でどうなの？手紙の内容は。」
「八割呼び出しね。」
「凄いっ」
「流石、決闘クラブでハリーとやり合うだけあるね。」
「それは関係ないでしょ？
それに料理上手のサラだって、美人って言う理由で貰っているアメリアに言われたないわ。」
「でも私は五通でしかも全員年下だし、」
「私は半分女だし、」
「「二年でこんなにモてるのは、Aくらいだよっ」」
そんな事無いわ、と一蹴すると、再びドワーフが。
「食事すらまともにさせてくれない訳？」
「いいじゃん。開いてみせてよ。」
「後で。」
とりあえず全員知らない人だし、しかも上級生のスリザリン生だ。
当然言うべき事は決まっている。
どうせ急ぎの用事でもないそれを放っておいて、Aは次の授業へと向かった。
夜、呼び出しに全て応じて、片っ端から断って行ったAは、改めて未開封の一通と、名無しの告白目的でない二通を眺めていた。
名無しの二通に関しては覚えが会った。
「(この書体はきっとハリーとセオドールね。」
とおおよその予測がついたAだが、もう一通の未開封を見つめ、首をひねった。
だがどれだけ悩んでいていも埒があかない、と思えば手段は一つだった。
「(ん、開けちゃえ)」
どこか躍起になっていたAは未開封のそれを開けると。
「え、何コレ…」
何と宛先も無しの真っ白な白紙状態。
が、Aは察しがついたのかそれに
〈化けの皮よ、剥がれよ＿＿＿＿Specialis Revelio〉
と呪文を唱える。
すると思った通り、するりするりと現れて行った文字達に、Aは目を奪われた。
〈我に触れるな、薄汚い闇祓いの末裔め＿＿〉
血文字で綴られたそれに、寒気が走ったAは、その紙を燃やしてしまおうかと考えた、が敢えて止めておいた。
「(コレは父さんか…もしくは校長に見せるべきね…)」
見覚えのある書体は間違いなく、あの時の壁に綴られたもの。
一体どうやって正体が暴かれたのかまでは分からない。
でもわざわざ第三者の目を避けようと思ったのだ。
それ相応なりの実力者と踏んだAはそれを丁寧に畳み、ローブとネクタイを閉め、就寝間際の女子寮を抜け出した。
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アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！拙い作品ですが、最後までよろしくおねがいします(￣^￣)ゞ (2017年9月2日 7時) (
レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - お話とても面白いです！続きも楽しみにしてます!頑張ってください！ (2017年9月2日 0時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作成日時：2017年8月31日 19時
