36 秘密 ページ39
「私のアレは実力よ。
ハリーとの一件も、ロングボトムの一件も、全部偶然よ。
＿＿＿だから貴女が気にする様な事なんて、何も無いのよ。」
にっこりと笑うAに、アメリアは何かを察した。
適当な言い訳をつければいい所を、馬鹿正直に笑顔で拒絶するその様は、ある種滑稽にも思えた。
だが、これは彼女のやり方だとアメリアも分かっていた。
追いつめれば、追いつめる程、人はいとも簡単に繋がりをきってしまう。
「(危うい人…)」
それは、それくらいの事を抱えている覚悟の目だった。
そしてそれを分かっていて、アメリアの目は分かった、と一言答えた。
「私はもう何も言わない。
だけど…まあ頑張りなよ。」
本音を飲み込み、Aが欲しがっている言葉を発せば、にこりと普段の顔に戻っていた。
「何の事か分からないけど、分かったわ。」
にやりと笑ったAは、やっぱり危ない目をしていた。
そしてこの談話室から離れた、人気の無い廊下での会話を聞いてしまっていた、間の悪い少年が一人いた。
「(今の発言は、この会話は何だ…？)」
ドラコはAと言う少女について、改めて違和感を覚えるのだった。
そしてコレが最悪な事に、彼の詮索好きに火をつける事となったのだ。
そんな失態が起きているとAが気がつくのは、もう少し先。
ーーーー
クリスマス間近、Aがサラやアメリアと一緒に食事を取っていると、そわそわとした調子でハリーがやってきた。
「A、その、ちょっといいかな？」
「分かったわ。」
カタンと席を立ったAに、ハリーはちょっと背が高めな彼女を見上げる。
「今年のクリスマスはひょっとして、」
「ああごめんなさい、今年は実家に帰るのよ。」
「え、」
「本当にごめんなさい。
両親の都合で、ちょっとね。」
それ以上は言い渋るAに、ハリーはそっかと溜め息を吐いた。
傍らで聞き耳を立てていたドラコも、Aの発言には意外だと思っていた。
そしてクリスマス前日。
キングズ・クロス駅で別れたA達。
Aは多少距離を取ってから、ポートキーとなる家の鍵を握り閉めて、一気に家へと帰り咲いた。
家の入り口では、待ちくたびれたと言いたげな両親が仁王立ちしていた。
「只今帰りました。」
「おかえりA、もう一年ぶりかしら。」
「正確に言うと十三ヶ月ぶりですね。」
「行くぞ。」
早速仕事の様子で、Aはトランクを家の屋敷しもべ妖精に任せて、三人は直ぐに仕事場に向かった。
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アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！拙い作品ですが、最後までよろしくおねがいします(￣^￣)ゞ (2017年9月2日 7時) (
レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - お話とても面白いです！続きも楽しみにしてます!頑張ってください！ (2017年9月2日 0時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作成日時：2017年8月31日 19時
