29 秘密 諍いと怒りと ページ32
「ふん、自分の子息にすらまともな教育が出来てないとは、憐れですなあ。」
見れば、ルシウスが心底かわいそうだと言う目でロンを見下ろしていた。
「マロニエ家は今は、我々純血主義の一つだ。
そのように無下に扱わないでいただきたい。」
「なっ」
この無茶苦茶な発言に、ウィーズリー一家は固まってしまい、ハリーや、ロックハートにお熱だったハーマイオニーですら、驚きの表情を露にしていた。
三人には一年前の共通の秘密以来、Aには信頼を寄せていたが、この一言でそれがまた派手に揺らいでしまったのだ。
さてそんなハリー達の動揺も知らず、Aは真っすぐ家の帰路に向かってた。
「(さて今年は何をやらかしてくれるのかしらね…)」
クスリと意地悪く少女は笑った。
ーーー
新学期が始まり、ハリーやロン達の一件が会ってから、グリフィンドールは暫く馬鹿者扱いされていた。
更に最悪な事に…
「＿＿＿＿この穢れた血めっ！！！」
クィディッチの対決前のいざこざで衝突してしまったグリフィンドールと、スリザリン。
シーカーであるドラコがそう言って、Aの親友の一人である、ハーマイオニーを傷つけてしまったのだ。
Aはコレをアメリアから聞きつけ、はあ？っと首を捻らせた。
「然ういう思想があるのは知っているけど…まだそんなモノに捕われるのね。」
と随分と辛口なコメントを残すAに、アメリアは他人事じゃないわよと付け足し、爆弾発言をかました。
「そのかれが堂々と言い放ったのよ。
彼女も僕と同じ種族の一人であり、純血主義だってね。」
「へえ…」
その時の彼女の顔を、アメリアは忘れられなかっただろう。
なんせどんな表情よりも、冷たく氷っていたのだから。
Aが冷徹な表情をするときは、決まって誰かの為に怒っている事が多い。
アメリアは後は知らないと肩をすくめ、彼女の予想通り、問題は翌日起きた。
大広前に向かう途中、慣れた様に隣に座ろうとドラコの足をAは思いっきり掬い上げて、彼に尻餅をつかせたのだ。
「あら、ごめんなさい。
足がひっかかっちゃったみたい。」
「君っ今わざとやっただろう！」
「ええ、だから何。」
「な、何って謝れっ！！」
真っ赤になって怒っているドラコを、Aは底冷えするような冷たい瞳で見下した。
「目には目を歯には歯を…ってね。」
人を人とも思わない冷たい笑みに、周囲の者は怯えた。
当事者のドラコは、憐れ、蛇に睨まれた蛙状態になっていた。
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アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！拙い作品ですが、最後までよろしくおねがいします(￣^￣)ゞ (2017年9月2日 7時) (
レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - お話とても面白いです！続きも楽しみにしてます!頑張ってください！ (2017年9月2日 0時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作成日時：2017年8月31日 19時
