14 賢者 クリスマスに ページ16
Aはハーマイオニーの動きに注視していると、彼らがとんでもない事に首を突っ込んでいる事が分かって、頭痛がした。
両親との約束がある為、最低限怪我は負わせたくないと思ったAは、クリスマスの帰省をやむなく中止した。
両親はコレに反対する様な節は無く、Aもホッとした様子でクリスマスの休暇に備えて、いそいそと帰る支度をする子達を見ていた。
「A、貴女帰らないって聞いたけどいいの？」
「え、私はいいの。
今年中に両親が帰れないって言うから、」
「へえ、じゃあマロニエ家が重度の放浪家って言うのは本当なのね。」
「ええ本当よ。」
サラの気遣いに、アメリアの皮肉をさらりと受け流したAは、クリスマスのプレゼント待っていてと二人に微笑んだ。
きょとんとした顔の二人は、お互いに見つめ合って、うんと頷いた。
二人を見送ろうと駅までついて行こうとすると、誰かが傍らに佇む。
「A。」
あの日以来柔らかく呼ばれる自身の名前に、Aは動揺を押し隠して、その人物に向かって微笑んだ。
「あらドラコじゃない。どうしたの？」
「Aは学校に残るのか？」
「ええ家庭の事情で。」
にこりと微笑む笑顔はやはりドラコの記憶の何かとダブる、がそんな事をしている程時間は待ってくれない。
「じゃあこれは必要なくなったみたいだな」
「へ。」
ぽすっと渡されたそれはクリスマスパーティーの招待状。
きょとんとした顔のAに、ふふんと笑ったドラコはいつもの調子で言って退けた。
「我が家の招待状だ。
まあ学校に残るのならいらないが、一応渡しておく。」
耳をやや赤らめて立ち去っていくドラコを、ぽかんと見つめていたA。
すると脇から二人に小突かれた。
「良かったじゃない、
行けないのが残念だけど貰えて。
彼があれを渡すのは相当仲のいい子だけのなのよ。
パンジーもねだったらしいんだけど、無理だったんだって。」
でしょうね、と心の中で突っ込んだAは、貰った手紙を握りしめ、そっと囁いた。
本当に何も変わらないのね…
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アサノ(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます！拙い作品ですが、最後までよろしくおねがいします(￣^￣)ゞ (2017年9月2日 7時) (
レス) id: 7b2f68b578 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - お話とても面白いです！続きも楽しみにしてます!頑張ってください！ (2017年9月2日 0時) (レス) id: 27fb89c1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作成日時：2017年8月31日 19時
