何気ない日常を… (ページ29)

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謎【ヨンリ・アルフ】ページ29

ふと、ある日アルフはヨンリの後ろ姿を見かけた。

「おい、ヨンr___
「では、よろしくお願いしますね。」
いつもの様に声をかけようとしたが、ピタリと立ち止まる。

ヨンリはスニベリーと話していたからだ。
「我輩にこのようなことを頼むのも、お前しかおらんな。」
いつもアルフに向けるような憎しみ混じりの表情ではない。何処か、呆れたような仕方ないようなものを見る目。

「では、よろしくお願いしますよぉ！」
そう言ったヨンリを一瞥して、立ち去っていったスニベリー。
ヨンリも用が済んだのか、その場を立ち去ろうとしていた。
「おい、ヨンリ。」
今度こそ、声をかければギョッとした顔でこちらを向いた。逃げはしなかったが、お化けでも見たかのような顔だ。

相変わらず失礼なやつだな、と内心思いながらアルフが近寄る。
それに答えるかのようにヨンリはヘラリ、と笑った。
「やあやあ！アルフ。ご機嫌いかがぁー？」
ニコニコと笑っているヨンリは、アルフの隣に立つと並んで歩き始めた。

「レイは一緒じゃないのか？」
いつもは側にいる奴の姿が見えないことに気がついて、尋ねれば含み笑いをした。

「んふふ、レイは彼女のところだよー。」
meは振られちゃったー、なんて冗談を言いながらケラケラ笑っている。

「(……そういえば、そんな奴もいたな。)」
あまり記憶に無い、レイの彼女。ヨンリの表情から上手く行っていることをアルフは知った。

「あ、駄目だよアルフ！ミラちゃんはいじめたら駄目だからね。」
「んなこと、分かってるさ。」
アルフがレイに関係のある彼女に害をなすと考えたのか、釘を刺してきた。

アルフも元々手を出す気は無かったのか、普通に頷いた。
ならいいけど、と安心したヨンリにアルフは本題を切り出すかのように尋ねた。

「そういえば、さっき何を話してたんだ？」
「……やっぱり見てた？」
おう、と短く応えればあちゃーとヨンリは空を仰いだ。

見てはいけないものだったのか？
いたずら心が芽生えて、深く掘り下げようとする前に残念ながらグリフィンドールの寮についた。

「気になるの？」
「……別に？」
売り言葉に買い言葉
ニヤリと笑ったヨンリに、ニヤリと笑ったアルフ。

「当ててご覧よ？正解したら、ご褒美をあげてもいいよぉ？」
ｶｶｶッ、と独特の笑いをこぼしてグリフィンドール寮へ入っていった。

「ばいばーい！」
ヨンリは元気に手を降っていた。