何気ない日常を… (ページ3)

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昼寝【アルフ・ヨンリ】ページ3

「ふわあ～」

らしくもなく大あくびをかますアルフは、酷く眠たそうな顔で裏庭にやって来た。
手に持っているはずの教材を投げ出し、お昼の鐘がなる前にごろりと適当な場所に寝転ぶ有様。

普段ならこんな無防備な姿は晒さないのだが、昨日は相方のドルチェが具合が悪いと行って見回りをパスしたのだ。
普段の二倍見回る頃には既に消灯時間は過ぎ、ようやく眠れると思ったら明け方近くに両親からよこされたふくろうに叩き起こされ、羊皮紙200枚分の返事を急かされる始末。

結局、起床時間も程々に、アルフは疲れを取る事も無く出て来たという訳だ。

「(…眠い。)」

普段なら油断無く辺りを観察し、いじれる対象があれば、満足のいくまで振り回すアルフだが今日はどうにも調子が悪い。
寝転んだ瞬間襲ってくる睡魔にアルフはあらがう事無く、瞼を閉じた。

ーーー

一方、例のごとく昼食を食べる様勧めるレイから逃げる途中だったヨンリは、裏庭を横切った瞬間意外な物を発見した。

「…うっそー」

大木の根っこに横たわり、寝息も立てずに眠り込んでいる悪魔。
そこで止めておけばいいのに、グリフィンドール故の気質なのかそれとも彼女の性格が普通ではないのか。
好奇心に駆られて恐る恐る近づくと、そこにあるのは普段のニヒルな表情からは想像出来ない程のあどけない寝顔。
無防備なのもいい所なその男をまじまじと見つめ、何を考えたかすとんとその枕元にしゃがみ込む。

「…おーい。」

耳元で呼んでみても返事は無し。

「アールーフ。」

普段ならうるせえと帰ってくるはずの返事も無く、

「…ねー寝てるの～」

と何の躊躇も無くほっぺたをつついたり、鼻をつまんだりとやりたい放題。
しかし何かを払う仕草だけして寝返りを打ったアルフは、起きる様子が無い。
それどころかなんだか気持ち良さそうに笑っているのだ。

「＿＿なんかアルフじゃないみたい、、」

今更戦き始めたヨンリがそそくさと逃げようとすると、くいっとなにかが小さく引っ張られる。
見ればさっき寝返りを打ったときにやられたのだろう。
アルフの頭が地面に落ちていたヨンリのローブの上に乗っているのだ。
引っ張るたびに嫌そうに寄せられた眉に、ヨンリはとうとう折れたようにそこに座り込んだ。

「ああ～暇になっちゃったな～～」

と聞えるように大声で言ってみても効果は零。
次第に直ぐ側にある悪魔の寝顔に、ヨンリは悪戯心がくすぐられた。