139 アズカバン ページ47
その蛇の紋章が刻まれた仮面をつける意味はそれすなわち、自らの身分を明かす一つのキー。
仮面という身分を誤魔化すアイテムを持ちながら、蛇の紋章を刻む意味はこのパーティーを愉しむ意味と共に、自らとの駆け引きを良しとしている強者の証拠。
そんな仮面を、黒髪とプラチナブロンドの青年が二人揃ってつけているのだ。
彼らの正体を察せない方が愚かというもの。
バルコニーにたまり、こちらをチラチラと伺っている彼女たちに、どこかわずかに苛立ちを感じたドラコはこの鬱陶しい仮面を剥いでしまいたかった。
「鬱陶しいよな、その仮面。」
クッと苛立ちげに口元をゆがめた後輩に一瞥くれたアルフは、呆れたような声で告げた。
仮面で表情を覆っているはずなのに何故自分の表情がわかるのか。
バッと焦ったように顔を上げたドラコに、男はニコリと笑った。
「でも…毎晩のように悪夢を見てろくに寝ていない君への最大のプレゼントを、まさか取ってしまいたいなんて言わないだろうね。」
「それは…」
「本来こういうのは禁止されているけど他なら無い友人の頼みだからね。
その醜態を晒したくなかったら、最後まで外すなよ。」
ニヤリと意地悪く笑ったアルフは、そのままドラコを通り過ぎてバルコニーに佇んでいる女性の手を通って、中央に向かってしまった。
唐突に“表用“の笑顔で念押しされたドラコは、悔しそうに拳を握りしめる。
そもそもこのパーティーですら出るのが嫌だったのだ、それをあのアルフが勝手にドラコを客寄せパンダにしなければ、鼻からこんなパーティー断っていた。
「(くそっ、)」
口に出すこともできない悪態を、心の中に押しとどめたドラコはカツンとなった靴音にバッと振り返った。
「…随分と長いこといらっしゃるようですが…何かお悩みでも？Mr.」
凛とした声、しかしその台詞には似合わず彼女の口元は嫌らしいくらいに愉快そうに歪んでいる。
いつの間にこんなに距離を許していたのか、後半歩でも近づけば鼻同士がくっつきそうなその距離にドラコはたじろいだ。
「いえ、ただ美しい宴に浮かれ過ぎて、酔いを覚ましていたところですよ。
何も悩んでは「嘘ですわ、そんなに眉間にしわを寄せて、全く…嘘をつくのがお下手ですね。」
くくくっと愉快そうに笑うその女にドラコの警戒心は跳ね上がった。
「眉間だと？
僕は仮面をつけているんだぞ、でたらめを、」
言うな、
そう続けようとした瞬間、女はドラコの手を強引に引いた。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
