138 アズカバン 幻想 ページ46
「ねえ、寝ても覚めても考えてしまうことってどんなことだと思う？」
「…はあ？」
真夏の夜、恒例のパーティーがスミス家で行われたその夜、二人の青年一つのバルコニーで寛いでいた。
片方は長身の背によく似合ったタキシードを着こなした黒髪の男に、輝くばかりのプラチナブロンドをきっちりとセットし、フォーマルな格好が板にあっている男。
黒髪の男の唐突な質問に彼、ドラコ・マルフォイは首を傾げた。
「…何です、ついに本命が現れましたか？」
「ははっ本当君は僕に対して容赦ないな。」
「当たり前ですよ、そこかしこで女子を取っ替え引っ替えしては、その災難は全部こっちに来てるんだ。
多少の文句も言いたくなる。」
ギロリと睨んだ先の男はなぜかへラリと笑ったままだ。
「まあまあそんな怒るなよ。
まあ本命がいるっていうのは近いな。
俺としても絶対に逃せない女でさ。
ある日忽然消えたんだ。
まあ、存在するだけで厄介な女だったからな、俺としてはどうなっても構わないが…」
言葉はそっけないが、その表情は笑えないレベルで険しい。
ぎりっと結ばれた唇から血が垂れるのも時間の問題と思わせるほどのそれに、ドラコはまだ見ぬその女性に感心した。
極端なまでに二面性のあるこの男は、その本性をごく一部の人間にしか見せない。
そんな男をここまでイラつかせるとは、相当なやり手だなと思う。
「まあ、僕もいないわけではないですけど…」
「お、なんだ？君ほどのやつにも気になるレディはいるのかそうか、そうか。」
俯きかけていた顔をあげ、わずかに目を開いたアルフ。
そして、可愛げのない後輩に向かって、大いに満足したようにうなづいた後、ニタニタと笑う有様。
「…なんか頭にくる言い方しますね。」
「そうでもない、これは事実だ。
パーティーに来ておきながらあらゆる美女の誘いを断るなんて普通じゃない。」
チラリと視線だけで示された先には、バルコニーの出入り口でこちらの様子を伺っている女性たち。
彼女たちの鼻から目を覆うその奇抜な仮面たちは、よくよく見れば、その二人の少年の額にもついている。
今宵、スミス家のパーティーでは一つの余興として、かつてマグル界でも流行ったとされる仮面舞踏会なるものを取り入れていた。
しかしそれは、マグル界のものとは少し異なっていて、彩る仮面たちのいくつかはよくよく見れば蛇の紋章が刻まれている。
魔法界において、蛇とくればスリザリンの象徴。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
