135 アズカバン 依頼 ページ42
一人窓辺に腰掛けていたAは、あの日の冬を思い出していた。
あの時は確か、憎き両親に強制的に連れられて、ついでに言うと拷問受けていたんだったか…どちらにしても今のAにその心配はない。
何故なら…
「A、何か食べたいものがあるかしら？」
「A、欲しいものがあるのなら言ってごらん、なんでも用意しよう。」
まるで今までの態度とは打って変わったようにAにまとわりつくようになったのだ、それはもう、Aの胃が勝手に痛むレベルで。
普段から人に対して気を使うと言うハイレベルなコミュニケーション能力を発揮できない彼女にとって、こういうベタつきとも言える気遣いは拷問に等しい。
それの最もたる原因は…
「あの、どうしてこんなことを？」
「あらやだわAったら…まだそんなことを言って、親子なんだから当然でしょ？」
「そうだぞ、我々は親子だ。
なあA。」
その親子を散々毛嫌いしていたくせに、何を今更、と顔をしかめるA。
Aの嫌そうな表情にも屈せず、なおのことAのそばを離れない。
Aの堪忍袋はついに限界を迎えた。
「わかりました、Aは、一人で、ゆっくりと、考え事がしたいのです。
どうか一人にしてくださいまし。」
彼女の本性を知っているものがいれば、誰だこいつと突っ込むレベルの笑顔に、たじろぐ二人。
だが愛娘のお頼みとあれば引き下がる他ない。
何かあったらすぐに呼ぶのよ、と最早寒気すら引き起こしてくれるその言葉を尻目に出て言った二人。
「…はあ…」
なんなののあれ、と小さくツッコミを入れたAは、スッと表情を元の無表情なそれに戻し、どかりと腰掛けた。
まるで腰ごと持っていきそうな柔らかな感触に、Aは目を見開いた。
「(…特注品だなんて言わないわよね…)」
冗談では済まされないレベルの柔さだ、なんてこったと頭を抱えたAは、腰掛けていた椅子から完全に思考回路を外した。
考えることを放棄し、極上の柔らかさを誇る椅子からも考えを取っ払うと、自然と手が向かうのは無防備なままの首元。
冷たい金属がチリッと辺り、そのままつつと指先を走らせれば、触れるのは不可思議な首飾り。
「ドラコ…」
もう何年も呼んでいない様な感触に囚われるその言葉は、するりと口から漏れ出た。
あの日の夜、祖母の元から抜け出したAは、ドラコと出会って逃げ出した。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
