122 アズカバン 予想外 ページ29
「あ、あの何かあったんですか？」
「あ？あああ？君知らないのか？！
出たんだよ！！シリウス・ブラックがな！」
真っ青の顔で叫ばれたその単語にAは青ざめた。
「え、それは、どこに…」
「本当に何も知らないんだな！
グリフィンドールのなんとかレディの肖像画を八つ裂きにしたらしい。
今大広間じゃあ大騒ぎになっているんだぞ！」
とつばでも飛ばしてきそうな勢いのドラコに、そうですかと、Aは短く答えた。
ドラコの言っているレディの正体は、グリフィンドールの談話室へつながる太ったレディのことだろう。
それらが意味するところはグリフィンドールにいる人物…とどのつまり一番狙われている可能性が高いのは、ハリーポッターなのだ。
「(あの二人がハリーからマントを奪取したのが本当なら、彼は今無防備同然…
こんな絶好のチャンスをシリウス・ブラックが狙わないわけがないわね…)」
と一人考え込んでいると、ドンッとAは思い切り、目の前の人物の背中に当たった。
「っ、」
前方を走っていたはずの彼は、何故かAをじっと見つめている。
何年たっても変わらない灰色の瞳に、思わずAは気持ちの奥底まで見透されているような気分になる。
「…」
何か一言でも下手なことを言えば一瞬にしてボロが出そうなその状況に、思わずAは息を呑んだ。
「あ、あの何か…」
「…ああ、なんでもない。」
なんでもないの一言で片付けるにしては随分と無理のある台詞だが、Aから掘り下げるわけにもいかない。
困ったように笑ったAに、ドラコは一つ咳き込んで赤らめた耳を隠すように続けた。
「今日は学年、寮関係なく、大広間で寝るそうだ。
全くあんな奴らと一緒に寝るなんて最悪もいいところだ。」
「そ、そうですね…」
なんと返していいのかいまいち迷う言葉に、Aはとにかく昔の癖が出ないようにと必死になるしかなかった。
ーーー
夜、在ろう事かグリフィンドールの肖像画を引き裂いたシリウス・ブラック。
その捜索に監督生まで巻き込まれる中、Aは一人寝袋を抱えたまま部屋の隅に蹲っていた。
本当ならばアルフの監視付きだが、アルフ自体はAのことをそこまで気を使っていられないというのが事実だった。
そしてこれはAにとっては好都合だった。
「(これが今日最後の分ね…)」
綺麗な色ではあるが決して美味しくはないポリジュース薬を飲み干すA。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
