115 アズカバン 得たものと失ったもの ページ22
老婆の話はいたって完結だった。
ホグワーツ全体に魔法がかかっている。
そう端的に真実を告げた老婆にAはたっぷりと間を持たせた後、
「…は？どういう意味です？」
とこの場において最も満点に近い質問をした。
愉快な話なんて微塵もしていないのに一人優雅に微笑んだ老婆は、まあ当然よねとため息をついた。
「誰だってこんな事になったら吃驚するわよね。
でもね、今回のことは私は何もしていないのよ、全てはあなたが引き起こしたのだから。」
「ますます訳がわからないのですが…」
「じゃあ一つ聞くけれど、貴女はあの夜、どうしてマルフォイ家のおぼっちゃまを探していたのかしら。」
あの夜と言われてAが思い出せるのは、あの一年目のクリスマスの夜の出来事だ。
黙って静観しているダンブルドアの視線を背中に受けながら、Aは慎重に言葉を選んだ。
「…それは、私が…彼にアレを預けていたから。」
「そう我がマロニエ家に伝わる家宝の一つ。
あのネックレスをあの坊やが持っていたから、貴女はそれを取り返そうと躍起になった。
誰にも渡してはいけないとあれほど言ったにも関わらず、幼い貴女はそれをあの坊やに預けてしまった。
ですが、今となってはその判断も正しいと思いますよ、あれは我々マロニエの力を最大限に引き出すトリガー。
貴女が持っていても手に余るものでしたからね。」
「…」
遠回しで随分と長々とした言葉を選んでいるが、Aを見つめている目は本気だ。
Aが黙って拳を握りしめたその刹那、フッと老婆の表情がわずかながら緩んだ。
その表情は決まってAにとって割りを食う話をするときの表情ときている、Aはほぞを噛んだ。
「っ、相変わらずまどろっこしい…いい加減はっきり言ったらどうなの？！」
Aの中で膨れ上がって居た怒りが爆発したが、そんな彼女の失礼きまわりない言葉にも彼女は動揺すらしない。
「では、本題に戻りましょうか？
なぜここのホグワーツ内部に居たもの全ての記憶が一斉に操作されたのか、
それはA、貴女の力が目覚めてきているからです。」
「…私の力？」
「さっき言ったでしょう。
あれはマロニエの力を最大限に引き出すものだと。」
Aは一瞬、一考した。
だが思い当たらないと言いたげに首を横に振った彼女に、老婆は長いこと待たせて居た答えをようやく口にした。
「私たちマロニエに隠された力、記憶操作の力です。」
そのたった一言にAは凍りついた。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
