111 アズカバン ページ18
一方ヒッポグリフに連れさらわれていたAは、いつの間にか気を失っていたのだろう。
気がつけば鬱蒼とした森に一人、置き去りにされていた。
「…ここは、」
不安げに声を上げると、かさりと何かが踏み込む音が辺りに響いた。
「誰？！」
弾かれるように立ち上がると、そこに立っていたのは…
「待っていたぞ、A。」
暗闇にも溶け込んでしまいそうな真っ黒な髪を揺らした、Aにとっては見覚えがありすぎる男。
「父上。」
名前を呼んだその刹那、素早く杖を構えた娘に男は動揺すらしなかった。
全てを予想していたかのようにニヤリと笑った瞬間、ふんっと気合とともに杖を振るった。
バキッバキッ！！
杖の動作につられるようにして辺りを薙いでいく強烈な風に、Aが顔をしかめると…
「こんな簡単に背後を取られるとはおちたものだな。」
ひんやりとした声色にAは、顔を見られないようにぐっとその表情を崩した。
だが男にはAの心情が手に取るようにわかるのか、薄笑いを浮かべた後、その表情を元に戻した。
「まあいいここにお前を呼び出したのは他でもない。」
「透明マントのありかなら教えませんよ。」
「はっ我々もバカではない何度も同じ手は使わんよ。」
男の冷笑が背中越しに伝わる中、Aは自身の鼓膜を叩いたその言葉に目を見開いた。
「は？
＿＿＿＿＿すでに手に入れたってそれは…どういう意味です？」
驚きで目を開いたAに、男は愉快そうに笑った。
先ほどまで見せていた冷笑的なその微笑みが、まるで嘘のように思えたA。
「嘘ではない、本当に手に入れたのだ。」
男の声に合わせるようにして現れたのは、輝くばかりのプラチナブロンドを揺らす彼女。
Aは視線が釘告げになったかのようにその女を睨みけた。
女の手に握られているのは、確かにAがよく知るそれ。
「な、なんてことを…」
腹の底から絞り出したような声に、女は愉快そうに唇の端をゆがめた。
「これでお前の企みも終わりよ、A。」
「企みですって？
そっちが先に言い出したんでしょう？ここまでバカだとは思わなかったわ！」
と一気にまくし立てたAに悲しそうな表情になる二人。
「A、まさか、まだなのか？」
次の瞬間、信じられないその言葉はAの思考を停止させた。
「“クラリス”が”お前“自身であることを…まだ、」
男の言葉が終わりきらないうちに、Aの思考は再び闇の中に放られた。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
