109 アズカバン ページ16
「ヘレナ？」
とまた別の少女の声。
見れば輝くばかりのプラチナブロンドと、綺麗な琥珀色の瞳をした少女がAの至近距離にいた。
「あと、あんたは確かA……なんだっけ？」
と勝手に聞いて勝手に首を傾げいている有様。
「まあ、ルーナ！」
ヘレナの注意は完全に彼女の方に移った。
彼女の抱擁を受けたルーナと呼ばれた彼女は、おーと言いながらもされるがままになっている。
すると琥珀色の目がAに移った。
「あんたどうしてここにいるの？
さっきハリー・ポッター達が呼んでたよ。」
「ハ、ハリー達が？」
助かった、と一瞬そう思ったが、Aは目の前に転がったチャンスを足蹴にするのは憚れた。
不安げにヘレナを見上げると、
「いいわよ、今度またゆっくり話しましょう、A！」
と花がほころんだように微笑む有様。
ヘレナの見送りを程々にAが廊下を走っていると…
「A！！」
見れば息を切らした様子のドラコが、階段を駆け上がって来るところだったのだ。
「A、こんなところでなにやってるんだよ、行くぞ。」
と有無を言わさず引っ張って行くドラコ。
そのままドラコに連れられるように向かった先は、例のハグリットの小屋だった。
「え…ドラコまさか…」
授業を受けるために自らこんなことをするとは思えなかったからだ、しかもAの記憶が正しければこの授業の主は…
「やあやあ、元気にしちょったか！お前ら！」
と大きな体を揺らしてやってきたのは、半巨人であるハグリット。
瞬間握っていた手がぎゅうっと握られた。
「ド、ドラコ？」
「いいかA、今日はあのウスノロに目にも見せてやるんだ。」
と上気したほおで嬉しそうに囁いた。
「…」
予感が的中すぎて、Aが深い溜息をついていると…
「それに君が僕を避けまくるからだ。
今日は離さないからな。」
純粋に側にいろという意味なのだろうが、どうにも邪推したくなるのはAの性根が悪いせいだろう。
「(一体なにを企んでいるのかしら。)」
脳裏では、授業をめちゃめちゃにするドラコが容易に想像できたA。
こっちこそ何があっても離す気は無いとでもいうように力を強めにして、ドラコの手を握った。
「…なんだよほら、結局心配することなんかなかったんだぜ、君。」
とそんな二人を後ろから恨めしそうに睨みつけていたロン。
「そうみたいだね…」
と応えたハリーは初めて、彼女の隣にいるライバルが羨ましく思ったのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
