108 アズカバン ページ15
「…あの貴女は。」
「嫌だわA、忘れてしまったの、ヘレナよ、今じゃ灰色のレディなんて呼ばれてるけど、貴女なら私の名前を忘れたりはしないでしょう？
そうでしょう、A。」
ジリジリと詰め寄られていたAは、ヘレナと聞いて一人だけ思いつく人物がいた。
「…まさか、ロウェナ・レイブンクローの娘の…」
そう告げられた瞬間色白のはずの彼女のほおに、サッと赤みが走ったような気がした。
実際には何にもなかったというのに、その怒りは全身から惜しみなく流れ出るほどで…
「その名前を言わないで頂戴、A。
酷いわ、昔のAならそんなことはしなかった…」
「昔の私、と言うことは昔私と同じ名前の人がいたのですね。」
「？？なにを言っているの？
今も昔も貴女はただ一人の人。
そのアッシュブロンドに、淡いブルーの瞳、忘れるわけないでしょ？」
怒りなどどこに行ったのか今度は愛らしく微笑む彼女に、Aは困惑した。
千年も前に生きたと人と知り合いのはずがない、人違いだと訴えてもヘレナは聞き入れない。
「…さあいつものように楽しいお話をしましょう、A。
貴女がクラリスの名前を継承した時のことも話がしたいわ。」
その名前を聞いた途端、Aは戦慄を覚えた。
「(今のは…聞き間違い？)」
クラリスの名前がどうとか、継承とか、Aは困惑しながらも脳裏に蘇るのは祖母、クラリスの笑顔。
そしてその笑顔は悪魔のように表情が変わる。
散々振り回されて死ぬ思いをした彼女からすればこれは一世一代のチャンスだった。
「(…今度はこちらの番です。)」
目の前で手を差し伸べて来るヘレナには悪いが、もうAは躊躇はしなかった。
「…ええ、是非お話ししたいわ、
”ヘレナ“」
彼女が知るAという人物がどうなのかは知らないが、Aが知りうる限り極力人当たりのいい笑顔をする、と。
「やっぱりAはそうでなくちゃ。」
と上機嫌で背中を向けて案内する有様。
ヘレナに連れられる形でAが向かった先は天文台の塔だった。
見晴らしのいい眺めをじっと見つめていると、いいでしょう、ここ、とするりと隣に彼女がやって来る。
「ええ…本当に、素敵だわ。」
どの言葉を選べば欲しいものが手に入るか、そうAが考え込んでいると、
「Aたらどうしちゃったの？黙りこくって…」
と怪しまれる始末。
一体どこからなにをいえばいいのか、そう迷っていると…
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
