102 アズカバン ページ9
「新任の先生、ですか。」
暖かくもないコップを片手に、苦笑している男を見上げたAは冷静に復唱した。
「そうなんだ、いや本当にごめんね。」
「いえいえ、吸魂鬼相手に無謀なことをした私にも責任はあるので。」
私も、という事は新任教師の落ち度を否定する気は無いのだろう。
「でも良かったよ、君が無事で。」
「気絶しましたけどね。」
「確かに。
でもあれわざとでしょ？」
と可愛らしく小首をかしげる男にどうしたものかとAは悩んだ。
無事かと心配しておきながら、わざとでしょ？とAの心理をほぼほぼ確信している。
「どういう意味です？」
「そのままの意味だよ、君は僕が起きていることを知っていた。
だけど僕に助けを求めなかったのは何故？」
じっ、と逸らす事無く見つめてくる男に、Aは肩をすくめた。
「…わかっていて狸寝入りをするとは思いませんでした。
一生徒の安否よりも自身の安全をお取りになったのですね？」
「それは君も同じことだ。
ハリーを危険にさらした、僕を試すためにね。」
疑問は確信に、意地悪く笑ったかと思えば至極真面目な顔で怒っている男に、Aはおかしくなった。
「ははっ、とっても面白い！」
「ふざけないで欲しい。」
真剣さが伝わる口調だが生憎と今のAでは何の意味も成さない。
淡いブルーの瞳を歪め、けたけたと笑っていたAは漸く笑いを納め、弧を歪め嫌みなくらいに綺麗な口元を吊り上げる。
「はあ…久しぶりに笑ったわ。
安心して、私は何もしないから。」
「その言葉を信用しろと？」
「好きにすればいいと思いますが。」
ざっくらばんな言い回しの裏には、相手を品定めしようとする強かさが秘めている。
Aのお得意の笑顔を睨みつけていた男は、溜め込んでいた溜め息を漸く吐いた。
「僕も教師だからね、生徒である君の言う事を信用しないわけにはいかない。」
「随分と失礼な先生ですこと。」
「 僕の言っていることに間違いはあるかい？」
「いいえ立派だと思いますわ。」
ふふんと鼻で笑うAに、男は冷静でいようと努めた、しかし不自然に声は上ずった。
「君は随分とその、冷徹なんだね。
君が僕を試すために彼を利用としたと聞いたら皆なんて言うだろうね。」
「お説教にしては随分と陳腐ですね。
ご心配なく私はすでに裏切られる準備はできているので。」
そう一言告げたAは、対峙していた男、リーマス・ルーピンに一瞥くれた後静かに部屋を出て行った。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
