3 賢者 ページ8
そうして待ち合わせのローブの店まで来ると、ドンッと誰かと衝突した。
「おっこれはすまえね。」
低い男の声にAは誰？と思いながら顔を上げると、そこには髭もじゃの男がいて、その人相と体格に思わず身を引く。
「こ、こちらこそ申し訳ありません。」
「、ん？
おまえさん何処かで見た様な。」
ずいっと顔を覗き込んでくる大男にひっと思わず身を引くA。
するとその影から小柄な誰かがひょこっと顔をのぞかせる。
「ハグリット何してるの？」
「おっハリーそこに居たか、いやすまん、行こう。」
Aは何が何だが分からなかったが、一瞬ちらりと覗いた黒く癖のある髪と、眼鏡をかけたハリーと呼ばれた男の子の背を、目で追っかけていた。
「(ハリーってまさか、あのハリーポッター？)」
例の彼の人の件で騒がれた男の子の筈よね、と考え込みながらAは重たい扉を開ける。
するとすぐ目の前に、台の上に乗せられて周りの店員たちが忙しくなく動いている中央に、ローブの新調されているドラコがいた。
入って来た直後のAは、怪訝そうな目つきのドラコと視線がぶつかる。
「遅いぞ、A。」
「分かってるわ、ドラコ。
あ、ごめんなさい遅れてしまって、ローブを頼みたいんだけれどよろしいかしら。」
恭しく腰を曲げて来た店員の魔女に一言お詫びを告げると、魔女は心底驚いたように目を見開き、いえいえと途端に破顔する。
ドラコの隣に、同じように並ばされたAは長い黒髪をかきあげながら、器用に1本のピンで留める。
「君のその髪、いい加減切らないのか？」
「うーん、面倒なのよね。」
店員の魔女が居ないのをいい事にAは途端遠慮のない態度を取り、一方のドラコもほぼ反射的に嫌な顔をする。
このAと言う少女は、大人の前では非常に【いい子】を演じるのに長けていた。
そのくせドラコと二人っきりになるとコレだ。
世間一般では猫の皮を被っていると言うが、猫どころか狐の毛皮を全身に被っているくらいの女優っぷりを発揮する。
嘘つきと女優のすれすれをいく少女だが、生い立ちや長い付き合いのせいか、ドラコは未だにこの少女を放っては置けなかった。
ドラコは文句を言う気も失せ、盛大に溜め息を吐くと、
すかさず幸せが逃げるわよと余計な一言を告げられ、またイライラする。
嘘を言っている訳でもなければ、過剰なおべっかを囁かれている訳でもないのに、このやり取りはドラコが苦手だった。
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レモン(プロフ) - 秘密の部屋のところで夢主が3人を弁護するのが探偵やプロの弁護人のようで面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ♪家♪さん» すみません、誤字脱字についてはいけない一斉に直させていただきます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 確かに変ですね。ご指摘ありがとうございます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月27日 19時
