42 秘密 ページ48
「ああっまた！」
隣から叫び声が上がってAの肩はびくつく、
漸く思考が現実に戻って来た時、Aはハーマイオニーが鬼のように凄まじい形相になっているのを見つめ、驚いた。
「ハーマイオニー、そんなにイライラしてどうしたの？」
「どうしたのじゃないわよっ、ほらっまたブラッジャーがハリーを落とそうと！」
「えっ」
目の前に飛んで来た彼を急いで追いかけるA。
確かに数分観察していれば直ぐに分かるが、ハリーは執拗なまでにブラッジャーに追い立てられていた。
「どういう事？まるで磁石みたいに引き寄せられてるわ。」
「ソレが分かったら苦労しないわよッ」
ぶち切れ寸前と言うか、もう既にお冠な彼女にやれやれと溜め息を吐いたA。
「(まるで魔法が掛けられているみたいだわ。)」
Aが心配そうに眉を潜めるのを、ハーマイオニーは意味ありげに見つめていた。
試合は意外にも長引き、辺り一帯に雨が降って来た。
Aは魔法で傘を取り出して大きなこうもり傘を、ロンやハーマイオニーも入れるように大きくかざす。
二人分のお礼をAは言葉半分に聞き流し、尚も執拗にハリーを追い回すブラッジャーを睨みつけていた。
すると隣からこそこそと声が。
「おい、なんかやっぱり変だぜ。
まさかマルフォイの奴が、」
「ロンッ」
隣の自分を気遣ってか、必死にロンをたしなめているハーマイオニーに心の中で感謝したAは、空中でハリーの様を笑っているドラコを見つめ、呆れた。
途端、ちらっと彼の横で何かが光ったのを見つけたA。
ちちちっとわずかに輪郭がぼやけて見えるソレ。
それは間違いなく、金色の勝利宣言、スニッチだった。
「ドラコッ！！」
思わず叫んでしまったAは、ギョッとした顔で周囲のグリフィンドール生に見られた。
しまったとAが俯いた時、試合が一気に盛り上がった瞬間だった。
歓声の塊の中、器用にAの声を聞き分けたドラコは、自分の耳にターゲットがいるのに気がつき、
同時に険しい顔のハリーが猛然とした勢いでドラコに向かって帚を飛ばしたのは同時だった。
二人のシーカーは我先に競い合うように金色のソレを追い求めて行く。
「ハリーーっいっけえええ！！！」
「そうよっそのまま！！！」
ロンの凄まじい声援が隣でする中、負けず劣らずで叫ぶハーマイオニー。
けれどAは叫ばずただただ両手を握りしめて、神様にでも祈るようにその光景を見つめていた。
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レモン(プロフ) - 秘密の部屋のところで夢主が3人を弁護するのが探偵やプロの弁護人のようで面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ♪家♪さん» すみません、誤字脱字についてはいけない一斉に直させていただきます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 確かに変ですね。ご指摘ありがとうございます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月27日 19時
