34 秘密 恐れ ページ40
ハグリットの小屋に向かう途中、ロンの口から次々と出てくる蛞蝓を、Aは踏まないように気をつけていた。
「ハグリットの小屋って？」
「あっち、」
ハリーが指差した方向に向かい、小屋の前の立った時よく開けられた扉に、Aはびくついた。
「おめえさんら、また何かやらかしたのか？
おや、こっちの嬢ちゃんは誰だ？」
「Aと言います、よろしくお願い、」
と言い切る前に、よろしくな！と背を叩かれたAは危うくつんのめりそうだった。
ハグリットとAが出会ったのはこれで通算三度までだが、様子から察するにハグリットは覚えてないらしい。
中に入れてもらったAは、傍のロンの背中を撫で続けるだけで、外野が何を言おうと構いはしなかった。
ただの耳の奥であの時の言葉が嫌に響いていた。
______穢れた血め！！！
Aの脳裏は、一つ不吉な言葉を思い出していた。
【お前の血は汚れている。】
何を根拠に告げてきたのか分からないメッセージ。
Aはマグルだろうが半純血だろうが、純血だろうが、この際どうでもよかった。
ただ一つ、
ここにいる人間の中で一人、自分のことすらまともに知らない事実に酷く落ち込んでいたのは間違いなかった。
Aとドラコの喧嘩は全校生徒の知る所なり、あちこちに行くたびに、ドラコのファンらしき子達から白い目で見られたが、Aからすればこれだけ済んだ事が奇跡に等しかった。
そしてハロウィンの夜、Aとハーマイオニーはゴーストの夜食に誘われた。
何でも首無しニックに助けてもらった、そのお礼らしい。
ハーマイオニーは嬉々として受け入れたがAは申し訳なさそうな顔で断った。
「あら、Aどうして？」
「それがその＿＿＿気分かしら。」
あの一件以来、Aは三人と一緒に行動するのが怖かった。
何故ならあんなやり方でドラコを叱り飛ばしておきながら、自分がいつかああいう風に言われてしまうのではないかと根拠のない不安に駆られたからだ。
そしてそれはAにとって大問題。
何と言われようと怖くなかったAにとって、こんな体験は初めてだった。
＿＿ハーマイオニーを馬鹿にしたのよ！
そう何度自分に言い聞かせても、心は全く晴れない。
その感情は日を増すごとに大きくなっていって、後ろめたい気持ちになる。
勘のいい誰かが気がつきませんように、
そう念じたAは怪しげに見つめてくるハーマイオニーの視線を避けるようにして、女子寮に戻った。
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レモン(プロフ) - 秘密の部屋のところで夢主が3人を弁護するのが探偵やプロの弁護人のようで面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ♪家♪さん» すみません、誤字脱字についてはいけない一斉に直させていただきます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 確かに変ですね。ご指摘ありがとうございます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月27日 19時
