28 秘密 ページ34
Aはマルフォイ家の居候だ。
さらに言うなら血筋以外何一つ明快に分かっていない。
そしてそんなマルフォイ夫妻に対してAは、これ以上に無い恩義がある。
勿論彼らの事は信頼しているし、尊敬すべき対象だと分かって入るが…
一つだけ頂けない事があった。
「あ？もう一回言ってみろ、ルシウス・マルフォイ。」
「ほお、その耳も飾り物ですかな。
ああこれは失礼、”飾るよう立派なもの"はお宅にはありませんでしたなあ。」
大の男二人が目の前で取っ組み合い寸前の睨み合いをしている事に、Aはコレは白昼夢だろうかと半分現実放棄をしていた。
隣のドラコは目を男の子特有の好奇心の所為で、キラキラとしているし、向いのロンも同様だ。
ハリーはおろおろ、ハーマイオニーは青ざめているし、ウィーズリー夫人は止めての連呼、店員も何時口を挟もうかとハラハラしている。
「(おばさまが居たら、こんな事には、…)」
Aは頭が痛かったが、終るまで待つしか無かった。
クルリと振り返ったAは山積みに積まれた本を見つめ、溜息をついた。
同じ著書でしかも七冊必要な本を前にAは嫌な予感しかしなかった。
ニカッと音がつきそうな笑顔。
さぞかし何度も練習されたであろうそれを前に、Aの顔はドンドン無になっていく。
それはその笑顔が自分の作る"それ"と、よく似ているからかもしれない。
「(…闇祓いね…)」
Aはこれまで境遇の所為か、そういった類のものに興味が無かったが、ルシウスの口から否が応でも話しは入ってくる。
加えて言うならAはこの著者には全く興味がない。
言い争いを前にしてギルデロイをちらちらと見ている魔女他達を見ても、何がそこまで興味引かれるのか全く以て検討がつかなかった。
さてとと言いたげに本を買い終わったAが振り返ったときには、喧嘩は終わり、渋々と言いたげに立ち去るマルフォイ親子。
Aはまだ怒りが収まりきっていない連中の元まで歩み寄り、スッと頭を下げた。
「え。」
誰かの素っ頓狂な声が聞こえたようが気がしたが、Aは気にせず、決められた口上でも述べるように淡々と言った。
「先ほどはルシウス様が失礼致しました。」
「ルシウス様って一体「つきましては、お詫びにコレをお受け取りください。」
Aはローブの袖から杖を取り出し、サッと一振りする。
すると一瞬にして本達が元の場所に戻り、ついでのようにアーサー・ウィーズリーの怪我も治した。
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レモン(プロフ) - 秘密の部屋のところで夢主が3人を弁護するのが探偵やプロの弁護人のようで面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ♪家♪さん» すみません、誤字脱字についてはいけない一斉に直させていただきます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 確かに変ですね。ご指摘ありがとうございます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月27日 19時
