22 賢者 語らい ページ27
「赤い薔薇か…」
学期末試験を明日に控えた夜。
Aはゆらゆらと炎に光りにかざされて、怪しくその輝く赤い薔薇を見つめていた。
Aはケルベロスから赤い薔薇の調査に映ったが、勿論収穫は無し。
あの時どうしてあの怪しげな梟を捕まえておかなかったのか、Aはやりれない気持ちだった。
相談したくても、ハーマイオニー達は何かこそこそとしていて、とてもじゃないがAが割って入る雰囲気ではない。
あれから悪戯手紙はなかったが、Aは四六時中持っていなければならないこの薔薇に、いい加減うんざりしていた。
「A…」
心配そうな声にAはびくっと肩を振るわせ、咄嗟に華を隠し、恐る恐る振り返った。
そこには例の如く眉をへにょっと曲げたあのときの彼。
Aは自然に笑顔になっていた。
「ネビル＿＿＿」
「どうしたの？もう就寝の時間なのに、」
ぎしっと隣に掛けたネビルは心配そうにAの顔を覗き込む。
談話室のソファに身を埋めていたAは、一瞬口が開きかけたが止めておいた。
「…なんでもないの気にしないで頂戴。
然ういう貴方こそどうしてここに？」
「いや…そのなんだか最近眠れなくて。」
「学期末試験が近いから？」
「えっなんで分かったの？」
「顔に書いてあるわよ。」
「君はいいよね、なんでもそつなくこなすからさ、変身術なんて学年一番だもんね。」
「そうだったかしら。」
「そうだよ、この間だって、杖をひょいってするだけで、あの純金の金時計を綿菓子に変えたのなんか凄いよっ」
「あら、ありがとう。」
途端恥ずかしそうに頭をかくネビルに、ふふっと笑うA。
それからとりとめのない話しをした。
ロンがこの間の呪文学の授業で怒られた事や、
シェーマスがまた変身術の授業で爆発させたとか、
ディーンが魔法史の授業中に寝ているとか、今日のランチ中にまたドラコが食って掛かって来た事とか、
最近双子のいたずらの餌食になっている人間が多いとか。
就寝時間も気にせずAは思いつくままに喋っていると、急にネビルがそれを遮った。
「君に一つ聞きたいことがあって、
その、この間のハロウィンの前の日の、あの、」
と言おうか言わないか迷っているネビルに、Aはズバッと言い放った。
「この間の孤児の事ね。」
「そ、それは、」
自分で言っておいて黙ってしまったネビルにAは微笑んだ。
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レモン(プロフ) - 秘密の部屋のところで夢主が3人を弁護するのが探偵やプロの弁護人のようで面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ♪家♪さん» すみません、誤字脱字についてはいけない一斉に直させていただきます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 確かに変ですね。ご指摘ありがとうございます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月27日 19時
