21 賢者 謎が謎呼ぶ… ページ26
クリスマス休暇が開け、Aはいよいよあのカードの意味と薔薇の意味が分からなくなって来た。
「(収穫は無しっと…)」
Aは分厚く読みきれない本を図書室から借りたAは、人目を凌ぐように本を呼んでいたが、
四周しようと七周しようとめぼしい情報は得られず、Aは乱暴にケルベロスについて記載された本を乱暴に閉じた。
「(やっぱり手紙の主を探すしかないのかしら。)」
Aはポケットに入った二つの紙を眺めていた。
薔薇も紙も燃えず、挙げ句の果てに最終手段で捨ててみても何故か、Aの元に戻ってくるのだ。
あるときはトイレのトイレットペーパーに混じっていたし、あるときは教本の間に、あるときは枕元に置かれているのだ。
なら魔法が掛かっているのかと思って、何度もフィニートと唱えるが術者が有能なのか決して呪文も消える気配がない。
この徹底した対応に起こる気が失せたAは、仕方なくそれを持っている事にしたのだ。
「(もう…)」
大きな溜め息を吐いたAは、ケルベロスの本を抱えて立ち去る。
そんな彼女の姿を他の誰かが見ているとも知らずに。
ーーー
ドラコはクリスマスが終わってからと言うもの、ちらちらとAを監察していたが、彼女が一向に自分に何かを言ってくる様子がなく、胸の辺りがもやっとなっていた。
授業に向かおうとする別寮の彼女を捕まえたドラコは、Aにこほんと大げさに前置きを置いてから尋ねた。
「あの、その…この間のクリスマスは楽しかったなっ」
「え、？
ええそうね…もう四ヶ月も前の話しだけど何故ソレを今？」
「ああ〜〜だからそれはその…」
と言いにくそうに顔を赤らめたドラコは、プレゼントが、と小さく呟いた、が。
「え？プレゼントが、なんですって？」
赤みがかった顔を覗き込んだAは、ドラコの言葉の先を促したが、ドラコはピシッと固まってしまう。
「な、なんでもない！！！」
珍しいくらい赤かった顔はさあっと真っ白に代わりに唇がパクパクと動いていたが、やがてだっと逃げ出した。
えっと後ろで動揺する様な声が聞こえて来たがドラコは気にしている余裕が無い程、
赤くなったり、白くなったりする顔をどうにかしようと必死になるばかり。
勝手に呼び止められて勝手に置いて行かれたAは、何のこっちゃとという顔をしてドラコを見送っていた。
Aが彼が顔を赤くした理由に気がつくのはもう少し先の話。
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レモン(プロフ) - 秘密の部屋のところで夢主が3人を弁護するのが探偵やプロの弁護人のようで面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ♪家♪さん» すみません、誤字脱字についてはいけない一斉に直させていただきます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 確かに変ですね。ご指摘ありがとうございます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月27日 19時
