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に 調理は共同で ページ5

「おはようございます福本、手が空いてるんだったら朝食手伝って下さい。」

早朝。
バンッと食堂の扉を開け放ったAは、早々に割烹着を身につけていた。

「起きて顔合わせ一番の台詞にしては随分と呑気なものだな。」
「あら呑気なのはいい事でしょう?
それよりも、福本さん、手伝ってくれるの?くれないの?」
「…手伝おう。」


福本はやれやれと言う顔つきで、せかせかと働くこの女スパイにちらっと視線を向けてから、一緒に準備を始める。
すでに割烹着をつけ、ある種の戦闘態勢を匂わせるAは、女の淑やかさをかなぐり捨てている。

兎にも角にもやるべき事は多いのだ。


「福本、味噌の味変えました?」
「ああ分かるか?」
「ええ、なんだかこう、さっぱりとした味で変に濃くなくて丁度いいんじゃないかしら。」
「そうか、ならこの魚もどうだ?」

おたまと小皿を持って、出汁をとった味噌汁を啜っているAの目の前に、ん、と突き出された焼き魚。
パクッと遠慮なくいただけば、なるほど悪くないと顔が物語るA。

「ん、美味しい…」
「それは良かった。」

もぐもぐとつまみ食いを噛みしめるAは、こういう時は実に普通の女の子にしか見えない。
こっそり隣で観察していた福本は、ひょっとしたら実年齢では、彼女は自分達とは兄弟ほど離れているのではと思った。
そう思わせるほどAは屈託無く笑うのだ。

「福本、福本?」
「ん、なんだ。」
「聞いてませんでしたね、今日の買い出し付き合ってくれます?」
「今日?…予定はないから構わない。」

今日の日程、三日後の予定、自分の仕事の日数、…いろいろ計算しても今日は大丈夫そうだ。
福本の了承に満足げにうなづいたAは、炒め物を始める。

「福本、お米どうです?」
「ん、問題ない。」
「よかった。」

こちらを見ずに言ってはいるが、実際大丈夫なのは本人もわかっている筈。
だがそれでも先週お米を駄目にしたことを後悔しているらしい、(あの後はお粥にして全員で食べた。)

ほ 野暮は厳禁→←は 第一幕〈ありふれた一時〉



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アサノ(プロフ) - masyさん» 返事が遅れてすみません。そんな風に言ってた抱けるだけでとっても嬉しいです。masy様と趣味が合うなんてこちらこそ光栄です笑 (2017年12月27日 1時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
masy - ハリーポッターのも読んでます!もうアサノさんの小説が好きすぎて……(笑)とても面白かったです! (2017年12月24日 20時) (レス) id: 065dd9adad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アサノ | 作成日時:2017年7月9日 14時

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