▽mission140 ページ46
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「あ〜〜!!!思い出した!!!!」
「えっなっなにどしたの世良ちゃん」
最後の最後にキッドを目撃できて大興奮の妹がコナンくん相手にずっと喋っている後ろから、私は世良ちゃんと並んで歩いていた。
蘭ちゃんと園子ちゃんは今何かを二人で喋ってます。なんだろう。
学校のことやら探偵のことやら、色々話していれば突然世良ちゃんが大声を上げる。
「どこかで見たことあると思ったらやっぱりそうだ、ベルツリー急行だ!!!」
「えっ」
ぎくっと肩を上げる。
気付かれてないとばかり思ってたけど見られてたんか!!!!!
蘭ちゃんや園子お嬢様にも私がミステリートレインに乗っていたことは明かしておらず、そうと知っているのはシェリー保護作戦に関わった人たちだけだ。キッドは知らないと思うけど。
少し前を歩いていたコナンくんが明らかにやべえ、という顔をしてバッと振り返る。
「なあAさん、ベルツリー急行に乗ってたんならこんな帽子を被ってて顔に火傷の跡がある男を見なかったか?」
こんな、のところで世良ちゃんは帽子を差す。
サッと蘭ちゃんや園子お嬢様の方を見ると、何やら重要な話なのか二人は顔を近付けて話し込んでおりこちらに注意を向けていない。
一瞬考えてコナンくんの方を見れば、小さく首を横に振られる。
目だけで了解、と伝えて私は口を開いた。
「世良ちゃんもベルツリー急行に乗ってたの?……うーん、そんな人は見なかった気がするな…………」
「そうか……」
落胆した様子の世良ちゃんを見て少しだけ罪悪感が芽生える。
ごめんな世良ちゃん、君の探し人とバリバリ協力関係にあるんだわ…………
「えっなにAさん、あの日ベルツリー急行に乗ってたの!!?聞いてないんだけど!!!」
「えぇ!?そうなんですか!!?」
「い、言ってないし園子さん達がベルツリー急行に乗ってたの知らなかったからね…………」
「えっねえねベルツリー急行乗ってたん!!?ずるい!!!」
「火事騒ぎやら爆発で散々やったけどな」
眉を下げながら苦笑して、ぽりぽりと頰を搔けばコナンくんが呆れたように笑ったのが見えた。
ハハ、誤魔化しだけは天下一品なのだよ少年。
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Skyでツンニキになりたい雀 - ミステリアスでアダルティックな感じの男の人を観賞用としてみる夢主ちゃんちゅき。 (2021年10月29日 23時) (レス) @page3 id: 11ee266d0f (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - シリアル増し増しでめちゃくちゃ面白いです! (2021年7月13日 15時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年7月25日 15時) (レス) id: 0b8d839863 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - トッケビ通じますわ辛い、、、((( (2019年7月21日 19時) (レス) id: a83a008361 (このIDを非表示/違反報告)
natsukomizumura(プロフ) - 超すきです!応援してます! (2019年6月17日 7時) (レス) id: 2c9aa8af7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斗 | 作成日時:2019年5月3日 14時