【名探偵コナン】東大生、必死だってさ。3 (ページ37)

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「そういえばさ、私も聞きたいんだけど」

「聞きたいこと？」

細々とした質問を受け続け問題ない程度に答えたわけだし、そろそろこっちのターンになってもいいんじゃないかとコナンくんの質問を遮る。

私はコナンくんの目をじっと見つめた。

「ぶっちゃけね、私は沖矢さんとの問答だけで疑いが晴れるとは思ってなかったわけよ」

「……うん」

「でも沖矢さんは信じるって言ってくれたしコナンくんだって信じようとしてくれてるんでしょ」

「…………」

「それがよく分からんのよ、信じてもらえるのは嬉しいけどさ」

これが正直な気持ちだ。

沖矢さんとの対話を後から思い返しても、私の話はガバガバで疑問点やツッコミどころが多い。

彼らの性質が善であることを考慮に入れても、そのまま受け入れてもらえた意味が分からない。

黙ってストローに口をつけ、ズゴゴゴッと飲み干したコナンくんがゆっくりと口を開く。

「……正直、あれだけじゃオレは信じられない」

「だよね」

「でもさ」

コナンくんの青い目が私をしっかりと見つめた。

「沖矢さんがAさんを信じるって言ったんだ」

「……だからコナンくんも信じるって？」

「信じられないって食い下がるオレに沖矢さん、何て言ったと思う？」

「え？」

「Aさんの全てにおいて俺が責任を持つ、だからボウヤも彼女を信じてやってくれないか、って」

その真っ直ぐな目と、間接的に伝えられた赤井さんの言葉に目を見開く。

「だから、オレも信じるよ」

言葉にならない感情が身体の中を駆け巡って、泣きたいような気分になって、大きく息を吸って、私は思い切り笑顔を作った。

「……へへ、うん、ありがとう」

「………どういたしまして」

誰にも頼れないこの世界で、信じてくれる人達ができた。

未だに話せないことの方が多いし、そのほとんどは墓場まで一人で抱え込まなければならない。

それでも彼等が信じてくれるのなら。

きっと私はどんな結末だって受け入れる。

「でもAさんの正体は絶対暴いてやるからな！！！」

「ハッやってみな名探偵！！！嘘です！！！！もう探らないでください！！！！これ以上何も出てきません！！！！！」

「言質録ったから覚悟してくれ！！！！」

「抜かりないのやめて！！！？！？」

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