【名探偵コナン】東大生、必死だってさ。3

▽mission132 ページ38

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＿＿＿＿貴方は怪盗キッドを知っているだろうか。




恐らくこの世界に生きる人も、名探偵コナンをコンテンツとして楽しんでいる人も、彼のことは大体好きであると私は勝手に思っている。







「……なっちゃん、キッド見に行く？」

「行く〜〜！！！！！」






そしてそれは私も例外ではないのだ。



怪盗キッドの予告の日、外せない用事があるらしい母親に代わって妹の面倒をみることになっていた私は妹を連れて鈴木大博物館に行くことに決めた。



今回キッドが盗むと予告したのは『赤面の人魚(ブラッシュマーメイド)』という宝石。



これは元々ベルツリー急行で展示されるはずだったもので、列車の爆発によって延期されていたが鈴木財閥相談役の意向で展示が決まったのだとかなんとか。



とはいえまさかキッドと直接対峙する気はさらさらなく、どちらかといえば博物館の外から野次馬と一緒にキッドコールをするのが目的だったりする。



だって絶対楽しいじゃん………………



恐らく園子お嬢様辺りに頼み込めば展示室で見物させてくれるのかもしれないが、妹を事件に近付ける気はさらさらない。



夕方になってそわそわし始めた妹を連れて外食の夕飯を済ませ、鈴木博物館に向かえば皆考えることは同じなのだろう。



チケットブースは大行列である。



なんとか館内に入り、大盛況の展示室を順々に見て回る。




この時点でキッドはあまり関係ないのでつまらなさそうな妹に対し、私は充実した展示にルンルンしていた。いや鈴木財閥すごいな…………





「あ、そろそろキッドが盗む宝石のとこやで」

「ほんま！？」





赤面の人魚(ブラッシュマーメイド)の展示室が近付いたことを妹に告げると、手持ち無沙汰にうろちょろしていた妹の目が輝いた。





「ねえね、見てやカメや！！！」

「マジで泳いでるんや…………」






展示室にドンと置かれた巨大な水槽で、やたらきらびやかなカメが優雅に泳いでいた。


ちなみにあの宝石は偽物である。身もふたもないから黙ってるけど。






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