【名探偵コナン】東大生、必死だってさ。3 (ページ22)

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「あれ、コナンくんは？」

「ああ、ボウヤならどうも朝から出かけているようでな……今日は来られないと先ほど連絡があった」

「あっそういえば昨日から平次くん来てたな……」

「そうなのか」

当然のように連れてこられたのは工藤邸で、てっきりコナンくんもいるものだとビクビクしていた私は少し拍子抜けした。

でもよく考えたら昨日株ブローカーの事件があったわけだし、その流れで今日は吸血鬼の事件でお出かけ中だわね。

いやコナンくんいないからって怖くないわけじゃないけど。沖矢(赤井)さんだけでも死ぬほど怖いけど。

「昼食は食べたか？」

「いやまだです」

「煮込みハンバーグでいいか？昨日の余りだが」

「爆裂大歓迎」

「爆裂はしないでくれ」

もう完全にテンションが赤井な沖矢さんの煮込みハンバーグを少しの間ウキウキしながら待つ。

尋問は怖いけど美味い飯に罪はない。

間も無くして運ばれてきた煮込みハンバーグに、付け合わせのサラダに、数個積まれたバターロール。

「天才かな………天才だな………大学院出たらシェフになって下さいよ…………」

「大学院を出る頃には本職に戻っていたいものだが」

「じゃあ兼業で」

「シェフを兼業するFBI捜査官か」

「めっちゃ面白いですね」

昼食を頂いている間は他愛もない会話に付き合ってくれる辺り大人だなあと思うわけですよ。

その後も私のもぐもぐタイムにはひたすら雑談してくれた沖矢(赤井)さん。優しい。

「ごちそうさまでした！！！美味しかったです」

「それは良かった。……では食後のデザートといくか」

「しょ、食後のデザートな声色じゃねぇ………」

私が手を合わせると同時に口角を上げた沖矢(赤井)さん。

同時に纏う空気が一気に変わる。

突然襲ってきた緊張感に冷や汗を垂らしていれば、笑顔を浮かべたままの沖矢(赤井)さんが口を開いた。

「ああ、食器はそのままでいい。客間に移動してくれ、紅茶を淹れてくる」

「お、仰せのままに…………」

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